コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: ざけんじゃねぇ!! — 起 — ( No.27 )
日時: 2010/12/11 10:04
名前: ハッチしゃn (ID: ymYDaoPE)

第十話「整理の時間」

今日は日曜、そして明日はついに待ち焦がれていた夏休み。・・・成績は教えません。ええ。すごく悪かったので。俺、高校行けるのかな?あはは☆

とまぁ、そんなことは置いといて、俺は日曜日だし、どこかに遊びに行こうと思っていたのだよ。だがな、土手地の河原の目の前にいる坂条を見つけてしまったんだ。そこでは口喧嘩から始まってしまうのだが。



「おい、坂条! なんで俺は祝福されないんだよ!」
「仕方ないでしょ。あんたの能力レベルを考えたって、レベル8なんかに勝てるわけないんだから。これが正式な結果よ。・・・いいかげん肩に乗せてる右手離してくれる?」

俺は先週の日曜日に、あのイコールなんたらって奴を逮捕したことで、祝福されると思った。あんだけ頑張ったんだからな!なのに、警察の奴らは「ありえん」の一点張りで俺を不審者扱い! その隣でケーキを頬張っている奈津美。この差別は何なんだ!? だからな、だからな、俺は納得がいかなくて、こいつに立ち寄ったとい言うわけだ!

だが今こいつの話を聞いただろうか?「正式な結果」だってよ!それも「手ぇ離せ」だってよ!こんな無慈悲なことあるもんかね!?

あのイコール野郎のせいで、坂条と友達関係にはなれるのかなーって思ってたら、もう他人関係!

悲しい!悲しいよ!・・・・とまぁ、俺は言われたとおりに、肩に乗せた右手を離したってことだ。

「それにしてもあんたね、どんなに能力が凄くてもだよ? あいつの能力、一旦停止にさせただけじゃない。それをあだ返しにするとは、ガキにも程があるわよ」
「けどおまえな! あんとき俺が殴ってイコールを気絶させなければ、俺ら生きてねぇぞ!?少しは感謝するべきなんじゃないのか? このオ・レ・に!」

アクセントを付けて話したところに、とんとんと、右手の親指で自分の胸を指す。
なんか、坂条の呆れた眼が痛い・・・。
「あんた、ナルシスト・・・?はぁぁっ・・・。わたし、なんであんたと同じマンションなのかしら。」

「(小声で)最悪だわ・・・・」

おい。聞こえたぞ今の! 
なんか・・・俺が変態にみえるじゃねぇか!

まぁ、もういいか。うん。坂条の気持ちは痛いほど分かった。おとなしく、俺は逮捕激戦に参加してないってことでいいよな。

頭をかくと、坂条の顔を見る。おお、やはり可愛い。そうだよな、別に祝福なんかいくらだってあるさ。ポジティブポジティブ!・・・鬱になりそうだ。俺、頑張りすぎなのかな・・・。

すると、坂条がひらめいたような分からないが、俺をみて指差した。・・・人様に指さしちゃいけんぞ。

「ねぇ、あんたさ、これから暇?」

っと、腕時計を見ると、現在時刻はPM2:45。

別にまだ遊べる時間。というか明日から夏休みだし、気にしなくていいか。・・・めっちゃ暇だ。

「あ、ああ。暇」
「んじゃ、・・・・”実体実験能力生態厳重保管施設”ってところ、行ってみない?」

長くて・・・なんつったんだ?
わからないから、ちょっと質問する。

「えっと、つまりなんの所なんだ、そこ? 全然聞いたことないんだが。」

そういうと、奈津美は土手によりかかり、草を毟り取って、茶葉を摩るように一枚一枚丁寧に落としていく。
「・・・私も、実際のところ分からないんだけどね、先週、イコールの両腕を触った時、私と同じレベル8だったから、少しだけあいつの記憶とリンクしちゃったのよ。・・・そしたら、あいつが試験管の中に入ってる記憶と、そこの施設の看板が私の頭に入ったのよね。」

「だから、なんなんだよ? 試験管の中って言ったって、もしかしたら病気でその施設に治療させてもらってたかもしれねぇじゃん」

俺の言ったことが違ったのか、それとも俺が不味いこと言ったのかわからんが、奈津美が顔を左右に振り、否定する。

「違うのよ。聞こえちゃったのよ。私たちの本当の真実。・・・能力だって・・・これは『偽り』のモノ。先週の時から、悩んでて、この記憶の事が本当なのか分かんなくて・・・」

奈津美が片手で風を起こす。とても小さい巻き風。

奈津美の言ってることが俺には理解できない。能力が偽りって・・・そんなの知らない。俺達は普通に『この地球が二代目で、その二代目となった人類は能力をなぜか持つようになった』としか教えられていない。

昔の人類の人達は巨大隕石で滅んだとしか聞いたことがない。

奈津美は、一体なにを言ってるんだよ。もしかして変な薬でも入れられたのだろうか?

俺は・・・奈津美が何を言っているのか分からない。

河原にいる二人の影は、日が下がるたびに刻一刻と大きくなっていく・・・だがそれは、夜になることも示していた。

奈津美が見たものは、一体何なんだ?