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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- #1 ( No.3 )
- 日時: 2010/12/10 22:10
- 名前: 美桜 ◆QfbalvjOYM (ID: gdQ75u9F)
#1
あの日、私は心に決めた。『もう恋はしない』と。もう悲しい思いをしたくなかったから。もう大切な人を失いなくなかったから。もう寂しい想いをしたくなかったから。私の恋の相手はあの人だけでいい、と。あの人以外は-----恋なんてできない。
今日は、朝から教室が賑やかだ。なぜなら今日は、転入生が来るから。そして、騒いでいる大半が女子。言うまでもないが、転入生が男子だから。あっちこっちで、「イケメンかな??」とか「性格良い子が一番だってー」という声が聞こえてくる。まったくうるさいものだ。
「美維子は楽しみじゃないの?」
私の親友で幼馴染-----笹城瑞姫が声をかけてきた。
「べっつにぃ〜」
「美維子……。アイツもことはもう忘れなよ」
アイツ-----彼氏で-----私と瑞姫の幼馴染。瑞姫だけが、私の思いを知っている。
「やだよ…。アイツを忘れたら、私、アイツを---藍斗を裏切るみたいじゃん。そんなのやだから、私の恋の相手は藍斗だけでいい」
瑞姫は、呆れたようにため息をついて、自分の席に戻って行った。そして、少しすると本鈴が鳴り、先生が入ってきた。
「じゃあ、席つけよー。みんな知っていると思うが、このクラスに転入生が入ってくる。おい、風早。紹介しろ」
「はーい !! えっと、俺は風早裕人。みんなよろしく !!」
転入生の顔を見た。そして、私はハッとする。なぜなら…。頭から3cm程の短髪。キラキラした、好奇心旺盛な瞳。制服の着方も、全部が全部そっくりだった。
事故で亡くなった彼氏、宮戸藍斗にそっくりだった----------。
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