コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

#3 ( No.5 )
日時: 2010/12/13 22:06
名前: 美桜 ◆QfbalvjOYM (ID: 2pqBpCaH)

#3

 こんなの……信じたくない。私が想っているのはアイツだけ。アイツだけが私の彼氏で、アイツだけが私の大事な人なんだ。だから、絶対に、そんなことは…………ないんだ。----------私が裕人をスキだなんてないんだから… !!!







 「ホームルーム始めんぞー」
 担任が言うと、さっきまでざわついていたクラスの子たちが、一瞬だけ静かになる。一瞬だけ、だ。それにしても、今日も朝から女子たちが騒がしい。もちろん、裕人に対してである。

 「わっかんないなぁ、なんだってそんなに藍斗にこだわるの? そりゃ、藍斗は良い子だったし、美維子にベストな彼氏だったけど…。藍斗だけ見てても、美維子は前に進めないよ…?」
 瑞姫は、裕人が転入してからずっとそんなことを言っている。

 「進めなくったっていいんだ。私には…私に必要な男子は、藍斗だけなんだよ」
 私はそのたびこうやって言い返した。

 「え〜? 裕人君いいと思うんだよなぁ〜。外見は藍斗にそっくりだしぃ、運動もできるしぃ、頭もいいしぃ、みんなに優しいしぃ♪ ダメなのかなぁ、裕人君はぁ?」
 瑞姫…。何故にそこまでに人格が変わるのか…。

 「美維子ー。数学のここ教えてー?」
 裕人が走ってこっちにやってきた。手には数学のドリルを持っている。
 
 「やだ」

 「えー、ケチー」

 「教えてやりなよ、天才的秀才の美維子ちゃん♪」
 瑞姫が横から口を挟んできた。

 「じゃあ、瑞姫がやればいいじゃん」

 「私、あったま悪いし☆」
 瑞姫が黒く見えるんですけど。気のせい…にしておこう。うん。

 「ね? だから教えてあげなって、み・い・こちゃん !」
 バンっと、瑞姫が私の背中を押した。

 「え? あ、キャッ… !」
 私は裕人の方へ滑って、そのまま-----私は-----…。








 「青春ですなぁ」
 呑気に瑞姫はそう言った。