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Re: スキだと言えたら Chapterⅱ オリキャラ・イメソン募集 ( No.33 )
日時: 2011/01/20 07:28
名前: 美桜 ◆QfbalvjOYM (ID: AxtxzagS)

#9

 ふー…。歩羽たち、くっついて良かったねぇ。"The Best Couple"って感じ。………実は今、そんなこと言ってる場合じゃないんです。今から五分ほど前のこと。皆でワイワイ騒いでいた時、胡桃が裕人を連れて教室を出て行った。胡桃の存在を、今の今まで忘れていたのだ。そして今、私は瑞姫と共に二人を追跡中である。
 二人は、教室を出た後10mほど進み、中央階段を使って一階へと降りた。胡桃は周りに誰もいないかを確認し、裕人の方へ向き直った。

 「ねぇ、気づいてるんでしょ ? ウチが裕人君のことスキなの」
 告白した。

 「言っちゃったよ、胡桃」

 「そうだね、美維子」
 小さな声で言い合った。大切なのはここからだ。

 「んー…… ?」
 裕人が言う。
 …………この鈍感男があぁぁ !!!!!

 「気づいてなかったんだぁ…。ま、裕人君は鈍感だし、当たり前だよね☆ でも鈍感すぎると危ないよう ? だって、裕人君。全然、美維子ちゃんの気持ち気付いてないじゃん」
 自分の名前が出て、ドキリとする。いったい、何を言う気 ?

 「裕人君はね、藍斗君の代りでしかないんだよ ?」

 「代り… ?」
 何言ってんの…胡桃……。

 「ウチね、美維子ちゃんと藍斗君が付き合ってたこと知ってたんだぁ。それはそれはバカップルでね。まるで、今の美維子ちゃんと裕人君みたいだった」

 「俺は……藍斗ってやつの…代り」
 裕人は、胡桃の言葉を聞いていないように言った。
 違うよ、裕人。裕人は藍斗の代わりなんかじゃない。そっくりだけど、そっくりすぎるけど……。

 「瑞姫…私もう耐えられないよ」

 「行きなよ。私だってもう無理」
 瑞姫の言葉に私は頷き、裕人たちの元へ飛び出していった。
 胡桃は、私が来ても大して驚かず、平静を保っていた。

 「あら、美維子ちゃん。見られっちゃったらしょうがないね〜。裕人君、行こうか♪」
 胡桃と一緒に、裕人は歩いて行った。
 
 「な… !! 裕人、待ちなさいよ ! 胡桃のこと信じる気 ?」
 裕人は私の言葉にも反応せず、そのまま歩いて行った。
 少しすると、裕人と胡桃の姿は見えなくなった。

 「どうしよ…瑞姫……」
 私は、半泣きになりながら瑞姫にせがんだ。

 「バカーッ !!!! どうして力ずくでも止めなかったの ? 美維子一人でなんとかしなさい。今回だけは私は力貸さないからね」

 「そんな……」
 私は瑞姫にも見放されてしまった。




 

 教室に瑞姫と戻ると、もう裕人と胡桃はいた。二人は、私が戻ってきても何の反応もしない。話しかけるな、ということか。王様ゲームももう終わったようで、みんな片づけ始めていた。私も皆を手伝い、片づけをした。ちらちらと裕人の方を見るが、私の方は少しも見なかった。やっぱり……やっぱり、胡桃のこと信じたんだ。私じゃなくて…胡桃のことを。









 ねぇ…裕人………………。