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第三話　こんな美少女でも天才科学者　後編




俺は街灯に照らされながらずっと走っていた。あの時と今は何かが違った。
それだけは輝弥にもわかった、しかし何が違ったのかが全くわからなかった。
勝敗がもう決していたと確信した時はすごい恐怖に見舞われて逃げてきた。


「はぁ、はぁ……」

軽く息を切らしながらも走り続ける。後先何も考えずに。
たとえあの少女がどうなろうと俺には関係ないと心で言い張っていた。
大体未来人なんて俺達には関係のない遠い存在だ。そんなのに手を差し出すのは馬鹿だし、
命を差し出すのと同義語だ、だって俺まで危険に見舞われるから。






———————————やっとアパートが見えてきた。地獄から解放される。
そんな快楽の気持ちに浸りながら走るのをやめて歩いた。これで悩みも解消された。
心を真っ白なまでにリフレッシュさせていた。もう二度とあんなのと戦うのはごめんだ。
そう心で呟いて流れるように階段を上ってドアを思いっきり引いてそして思いっきりドアを閉める。
そして畳にダイビングしてゴロゴロと寝っころがる。




「やっと天国に戻ってこれた〜♪」

快楽をあらわにして風呂を沸かして夜食を済ませ風呂に入り歯磨きして寝るという、
小学生のようなスケジュールをこなして布団に潜った。
しかし彼には一つの迷いがまたあったのだった—————————。