コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: こんな俺でも奇跡を起こすっ! 参照250突破。 ( No.41 )
- 日時: 2011/01/15 20:47
- 名前: 蒼天の彗星 ◆7dc6rjLZUg (ID: A9EK.QpX)
その頃、ソルナードは町外れの海の浜辺にいた。アリアを肩で抱えため息を吐いていた。
そこにアリアをゆっくり置いて不思議な機械を使って何かのキットのような物を取り出す。
そしてその機械を無言で作動させる。そして神業に近いキーボード打ちで何らかの準備を進めていた。
「……多分この状況だと誰も来ないだろう、あの腰抜けも含めて」
しかしその予想は大外れだった。いや大きく外させたと言った方が適切だろう。
夜の街灯に照らされていた道の真ん中に少年は再び奇跡を起こすためにたっていた。
「誰が腰抜けだぁ?この老けたおっさんよお」
「ソルナードと呼べ。貴様、今更何しに来た。もう何しても無駄だ、天才科学者は渡さないぞ」
……。天才科学者?誰の事すか、それ。もしかして…?
「おい、おっさん。天才科学者ってアリアの事……!?」
「何だ、お前。知らなかったのか?こいつは未来人の逸材だぞ」
輝弥は見事壊れた機械のようにフリーズしてしまった。
天才科学者ぁああ!?…やべえ、あまりのギャップに鼻血が出そうだ…。
そんな妄想をしていたが鼻血は気合で止めた。そして軽く構える。
「ほう、やる気か。なら死んでも文句は言うなよ」
「熱っ!!!あんなのにまともに触れたら死んじまうぞ…」
そんな弱音を吐きながらも戦い続けた。しかしやはり防戦一方だった。
相手は科学兵器を使っているにも関わらず無防備だった。
「腰抜けがっ!やはりその程度かっ!!!」
真紅の炎が規則的に渦巻いて輝弥に接近してくる。それでも輝弥は避け続ける。
しかし何度もその技を使われて体力も限界に達していた時に炎が輝弥に直撃してしまった。
「っが…は……」
「これ以上は無意味だ。もうやめろ」
そんな時に気絶していたアリアは目を覚ました。アリアは顔色を変えてしまった。
そこには、そこにはもう瀕死状態の輝弥がいたからだった。一瞬にして涙が目を包んだ。
「もうやめてっ!!!!」
「ア…リア……?」
輝弥はアリアが意識を取り戻したのにやっと気づいてアリアの方を向いた。
しかし今の輝弥の思考回路じゃアリアがどんな気持ちだかわからなかった。
「あんたはっ…、あんたは本当に馬鹿げてるっ!!何で他人に命を懸けられるの!?」
その一言はしっかり輝弥の耳に届いた。しかし予想外な答えが輝弥から返ってきた。
「お前の言うとおり…、俺は馬鹿だ…。だけどな…、
馬鹿には馬鹿なりの流儀があるんだよ!つまり俺の流儀だと…、自己犠牲かな」
「…もう茶番は終わったか?遺言でも残すなら今だ…」
輝弥は考える人のように手を構えて考えていた。
そして自信気な表情でやっと言葉を紡ぎだした。
「前言撤回だ、犠牲一人出さないでお前を倒す」
そう輝弥はけっして遺言ではなく決意表明をした。