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点は同点で、梅高が取ると坂上も取る。

どちらかが守りきるしかない。


声変わりしそうなガラガラの声で

「行くぞ」


翔の大きな背中。あんなに大きかったっけ。


プレーが始まる。

これに勝てば優勝。金メダル。



がんばれ翔。




怪我だとは思わせないいいプレーをする翔。
翔が入れたおかげで２点差。でも入れられたらやっぱり同点になる。




１０秒。



坂上が
スリーポイントから打つ



そして＿＿＿＿















スポッ。










相手側から歓声が聞こえる。


嘘。


負けちゃうよ。



「男子だけでも勝ってよ!」



上から叫ぶ。



翔と目が合う。





口パクでなんか言ってる。





勝 つ か ら そ こ で 待 っ て ろ 。　??



「絶対だよ」


小さくポソッ


「青春だな〜」


隣りの柊がボソッ。


「は、はぁ??なっ、何それ!!」

ちょっとイラツキ気味で言う。


５!!


周りからカウントの声が聞こえた。


翔!!




中でゴチャゴチャしてるから翔が何処にいるのか分からない。



だけど、





ドンッ。





少年がそのゴチャゴチャから出てきてゴールの方にドリブル。







翔だ。





３!!



間に合って!!



２!!



手からボールが離れる。

入ったら65対66で勝てる。




１!!



入って。










スポッ。






あの誰もが聞きたかった快音。


ドン、ドドドン。


ボールが床で弾んでる。







ピィィィィィィイ!!



ブザービートより格好いい。







「ナイッシュ・・・・翔」


かっこよすぎだよ翔。
反則。
ズルイ。


もっかい言うけど




かっこよすぎ。












九月十日。

むさ苦しかった夏はもう終わりを告げ

涼しい秋が始まろうとしている＿＿＿＿＿＿＿。