コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

元魔女と使い魔とくるくる回る世界 ( No.3 )
日時: 2010/12/17 17:41
名前: 陽風@元・リコ☆ (ID: G0MTleJU)

よしっ! 今日は、更新できそうだZE←



第一話 「使い魔と“元”魔女」

*01 <いつもと違う朝>

ジリリリリリリリ———……

(うっさいな………)

イラつく気持ちと起きないといけない気持ちで目覚まし時計のボタンを押した。
何か気持ちいい夢を見ていたのに、途中で起こされるというのは、なんて気持ち悪いのだろう。

(だる——…)

今日は、日曜。もう少し寝ていてもいいはずだ。
さっきの夢の続きを見たいだなんて淡い期待を持ちながら、ベットにもう一回入る。


(あれ?)

なんか足元にもぞもぞしたものがあるような気がするのは、気のせいだろうか。

(しかもなんか大きくなってるよーな…)

さすがに怖くなって毛布の中をのぞいた。

(え……?)

いたのは、ツインテールの女の子。横に体育座りしていて、時より「フガ」と鼻が詰まったような音を出した。

(誰ですか————!?)

背中に冷や汗をかきながら、ベットからゆっくりゆっくり離れていき、部屋の奥の壁に背中を押しつけた。

(も、もしかして泥棒!?)

いや、待て。一回落ち着こう。
なんで女の子が私のベットの中に体育座りで寝ているかだ。
しかもなんでどこから入ってきた?

(あ、わかった。きっとこの人は———)

「変質者だ—————!!」

私は、わざと大きい声を出し、下にいるお母さんに聞こえるようにした。
そうしないとこの状態は、自分で背負いきれない。

「ん……ん?」

ベットのなかにいるツインテールが起きた。そしてこっちを見ている。
見てる。見てる。見てる!!
凝視されている……!

一時の沈黙が流れた。

「ご主人様ァ————!!」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ——」

いきなり走ってきたツインテールは、私に抱きついてきた。凝視されていて正直、てか、メッチャ怖かった私はびっくりした。


「ご主人様〜、ご主人様〜、会いたかったですぅ〜〜〜」

「いやぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁッ———」

思いっきり引きはがそうとするが、全くはがれない。殴っても蹴っても動かない。逆効果で頬をすり寄せてくる。私は、半分涙目だった。

「ココにいたんですね!! 本当に会えてうれしいですッ!」

「おか————さ———んッッ!!」

「どーしたの————!?」

ほっとする声と階段をバタバタ登ってくる音。そしてガチャッとドアが開いた。

「おかーさん!! たすけ…」

「アンタ、“一人”でなにしてんの?」

私を茫然と見つめるお母さん。何?あんた頭でもうった?って感じ。

「え!?」

「大丈夫? 寝ぼけたんなら早く起きて顔洗いなさい。それと、部屋も片付けなさいよ」

「待っ……」

ガチャとむなしいドアの音。

(なんで見えてないの?)

「ご主人様〜! ご主人様〜!!」

今だって私のお腹の上にいて、頬をすりよせてくるのに。「ご主人様」とか気持ち悪い言葉も大声で叫んでるのに。
なんで?
あんなに嫌だったツインテールの声も気にならなくなってしまった。


続く