#02私は台所から包丁を取り出した。やっと・・・やっと、悲しみのない世界へ逝ける。私が胸に包丁を刺そうとしたその瞬間、「ちょっと待ってください」一人の男がそう言って、私の持っていた包丁を取り上げた。「ア、アンタ誰!?」「悪魔です」「悪魔!?」そこにいたのは、黒髪の美少年だった。「あなたの心の中は憎しみと悲しみで覆われているようですね」憎しみと悲しみ・・・そう。憎い。私を捨てた親が。憎い。私をいじめ、苦しめるクラスメイトが。