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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 毒舌裁判官の日常 ( No.3 )
- 日時: 2011/01/01 16:35
- 名前: 霧雫 蝶 (ID: /KhoxVdF)
- 参照: http://http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode
裁判官の仕事とはなんだろう?
外観から見ると人を裁く、とても重要な仕事。
コイツを見ると、どうしても『趣味は鳩にエサやり』のおにいさんに見えて仕方がない。
まだ若いせいだろうか。
しかし、裁判官専用のずっしりとした重い本を熱心に読んでいるところを見ると、それっぽく見えてくる。
暖房器具のないひんやりとした部屋。
昌明はそんなことなどお構い無しのようだった。
熱心に本を読んでいる……ようにみえた。
実際には読み始めて五分後、この男はすでにいびきをかいて眠っていた。
本当にこの男のことを信じていいのだろうか。などと
思ってしまう。
それから本を持ったまま数時間眠り続け、ようやく気が付いたのは太陽が赤く染まり始めた頃だった。
ひとつ、大きな背伸び。
立ち上がった途端、ぶら下がっている蛍光灯のかさに頭をぶつける。
「いてて……」
頭を軽くさすりながら玄関へと向かう。
クリスマスカラーのジャンパーを手に取り、中から鍵を取り出してから羽織る。
一歩外に踏み出しても部屋の中と暖かさは変わらない。顔に先ほどと同じように冷気が吹き付けられる。
そのままどこかに出かけようとしたが、戻ってくる。
鍵を閉め忘れたからだ。
本物の不法侵入者が家にやってくるところであった。
鍵を閉めたのを確認すると、ようやく出かける。
本人はかかとをつぶしたままスニーカーを履いているので、居心地悪いように階段を下りていった。
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