コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 嘘からはじまる恋 ( No.102 )
日時: 2011/05/15 11:45
名前: 蒼依 (ID: 3edphfcO)

*第二十四話* どういうこと?

「谷口くん…!!」

タイミングよく現れた彼に驚いたが、助かった。
これで会長のお仕置きから逃げられる。
でも、谷口くんは動きもしないし、声も出さない。
ずっと扉の前に立ったまま、私たちを見ていた。

ただ、1つだけ分かる事があった。

「谷口くん…?」
「会長、こんな所で何やってるんですか」

彼は、怒っていた。
会長はそのことを分かってか、分かっていないのか、体を起して静かに答えた。

「お説教だけど」
「上から覆いかぶさって?」

まずい。何か勘違いされてる。
確かにこんな所であの体勢はまずかっただろうが、会長は襲うような真似はしていない。

「谷口くん!違うの!これは」
「事故だとでも言いたいの?」

谷口くんは私の言葉を遮ると私の手を引いて会長室を後にした。
手を握る彼の手はとても強くて痛かった。
ここまで怒っている谷口くんを見るのは初めてだ。少し怖い。

でも温かい。どうしてだろう。

谷口くんと私は一言も言葉を交わさずにだた歩いた。
やっと足を止めた場所はいつもの屋上だった。

「月野さん」
「ごめん、谷口くん。あの…え?」


どういうこと…?



どうして




谷口くんの腕の中にいるの、



               私。