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＊第二十五話＊　びっくりした。

どうして…こんなことするの？どうして私は拒まないの？
まさか谷口くん、私のこと…。私も谷口くんのことを…。

わ か ら な い 。

突然すぎて混乱してるだけだ。ただのドキドキに過ぎない。
だから勘違いしてるんだ。……勘違い。

谷口くんも会長にあんなことされた私を守ろうと、安心させようとしただけ。
きっと、そう。そうに違いない。


「谷口くん、私、平気だよ。なんにもされてないから。大丈夫。」


震える両腕で谷口くんから離れようと動かしてみたけど、ピクリとも動かない谷口くんの体。
背中に回された動かない2本の腕。どうして。


「谷口くん、大丈夫だから！もう離して！」
「離さない。」
「え…」


短い沈黙。それでも長く感じるこの間。
何かおかしい。ドキドキが膨らんでいく。苦しい。


「いい加減気づけよ…」
「何を…？」

「僕が月野さんのことを好きだってこと。」

嘘だ。