コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 嘘からはじまる恋 ( No.15 )
- 日時: 2011/01/09 18:01
- 名前: 蒼依 (ID: 1Fvr9aUF)
*第六話 生徒会長・本条慎也*
この後何があったのか。
察しのいい人は想像がつくだろう…。
……私、月野 雅は高校入って2回目の告白を受けておりました。
よく知らない人だったし、当然振ったのだが…。
その現場を『ある人』に見られておりました。
——その『ある人』とは…、
「君も大変そうだな。えっと、月野…だっけ?」
生徒会長・本条 慎也——
とんでもないとこを見られてしまったショックで相手の男子は店から出て行き、私はフリーズした。
なんでここにいるの?それに「君も」って何?
「俺もさっき月野と同じことをして来たんだ。」
そう言われて会長がやって来た階段、一階の方に目をやると女の子が泣いていた。
「そうだったんですか。」
「ああ。…そういえば、この間靴箱で手紙持ってたよな?あれ、ラブレター?」
「え?どうして知って…あ。」
あの時感じた視線…。あれは会長だったのか。
「見てらしたのですね。」
「酷い事するね、月野は。」
誰だってそう思うよね…。あー…どうしよう…。
「…すみません。」
「別に俺が書いたわけじゃないから謝られてもな。」
会長は微笑みながら言った。怒っているわけではないみたいだけど。
…もしかしたら、これはとんでもなく面倒な事になったんじゃないか?
もしこの事を言いふらされたりしたら…?
だんだん会長の微笑みが悪魔の微笑みに見えてきた。
てか、悪魔って微笑んだりするの?!
「あ、この事誰にも言わないで下さりますか…?」
「ラブレターをぐしゃぐしゃに丸めてゴミ箱に放り込んだこと?」
「はい。」
だってありえないじゃん!!
こんな酷い事する奴だって思われたら男子からは引かれるだろうし、女子からは
「あいつ、調子乗ってんじゃね?」とか言われるかもしれない!!
「ぷっ、言わないよ。言ってどうするの?」
「え?ホントに?」
「俺には関係ない話だよ。たまたま見てただけだし。」
よ、良かった…。
緊張がとけて手のひらの汗が凄いことに気がついた。
自分どんだけ緊張してるの?
「面白い奴だな。」
「え?何か?」
「いや、何にも。俺はそろそろ戻るよ。」
「あ、はい。」
会長…なんだか不思議な人だな…。