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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 嘘からはじまる恋 ( No.32 )
- 日時: 2011/01/09 18:03
- 名前: 蒼依 (ID: 1Fvr9aUF)
*第八話 谷口朔夜。*
放課後、早速生徒会は動き出した。
まず、全員に役割が書かれたプリントとシフト表が配られる。
皆自分の役割を確認し、シフト表と睨めっこ。
そこでクラスの出し物等で割り当てられた時間とかぶっていたらスケジュールを組み直したりする。
ちなみに私に振り当てられた役割はというと…
「1年 月野 1年谷口 司会・進行係」
そう、司会。
隣のクラスの谷口 朔夜くんと一緒に、ステージ発表の司会に当たったのだ。
私は谷口くんを知らないし、谷口くんも私を知らなかったみたいだから
この狭い生徒会室でお互いを見つけるのは大変だった。
やっとの思いで見つけ出し、軽く自己紹介を済ませ、仕事の確認をしていく。
初対面の人間、特に異性とはなかなか上手くいかないものだが、私たちは話しているうちに仕事に支障が
出ない程度にまで親しくなった。
何故か?
きっと谷口くんが自分のことを全く知らなかったからだと思う。
谷口くんは別の市からこの彩海高校を受験したらしく、現在電車通学している。
当然、出身中学校は違うからお互いを知ることなんてない。
だから親しくなれた。
「じゃあ、このグループの時は僕が進行させるよ。」
「ありがとう。その時間ちょうどクラスの出し物でかぶってたから助かるわ。」
「うん。任せときなよ。」
真面目そうな人。笑うと会長ぐらいカッコいい人だと思った。
それに何だか自分と似た匂いがする…。
どこが自分と似ているか分からないけど、まぁ、司会の仕事は何とかなりそうだ。
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