コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 嘘からはじまる恋 ( No.38 )
日時: 2011/01/09 18:03
名前: 蒼依 (ID: 1Fvr9aUF)

*第九話 練習。*

突然ですが、皆さん。高い所はお好きですか?
例えば山とか展望台。身近で言えばビルやマンションの最上階。そして…、学校の屋上。

中学の時は屋上でお昼!なんてことは出来なかった。
なぜなら「危険」だから。屋上へ続く扉は鍵をかけられたまま。

でも高校生になった今!
屋上の鍵は…


「ひゃー!たかーい!高いよ、谷口くん!」
「月野さん、騒ぎすぎだよ。」


かけれらていませんっ!!


「ごめんね、私高い所好きなの。」
「奇遇だね、僕もだよ。」
「さて、お昼食べながら練習しますか?」


ここで皆さん、気になっているのでは?
何故、私と谷口くんは屋上へ来たのか。

あの割り当ての後あまりにも意気投合しすぎた勢いで付き合う関係になり
一緒お昼食べようってなったから。

ではなく。

お昼休みの時間を利用して、一週間後に行われる文化祭の司会練習をしようと誘われたからだ。
何か期待してしまった方、ごめんなさい。

それにしても…天気がいいし、運よく今日は他の生徒がいない。
思う存分練習が出来そうだ。


「わあ、谷口くんのお弁当可愛いわね。」
「うち、妹が2人いるから…;;」
「あら、そうなの?」


ふーん、妹がね。ずっと一人っ子だと思ってたから何だか意外。
それにしても本当に可愛いお弁当。人参とかお花型だし、卵焼きなんてハート型だ(笑)

「あははっ」
「あ!今、月野さん笑ったでしょ!
 もう…だからやめてって母さんにあれ程言ったのに…!」
「ごめんごめん、さ、練習しよう?」
「うん…//」


真っ赤な谷口くんの顔、はじめて見た。
こんな風に照れることもあるんだ。新しい発見!



「第65回 彩海高校文化祭の司会を務めます、私 月野雅と」
「谷口朔夜です。」
「「よろしくお願いします。」」

もう練習を始めて2週間ちょっと。
合わせるところも合うようになったし、多少のアドリブも出来るようになっていた。

私たちはある程度練習をしてから、教室に帰る準備に取りかかった。と、
その時、屋上の扉がバンッ!と勢いよく開いた。


「みーー…やーー…び——っ!!!」
「なつみっ?!」


なつみが突然やって来たことに驚いた。
今日は一緒にお昼を食べる約束はしていないはずなのに…どうしたのだろう?


「どうしたの?なつみ。」
「どうしたの?じゃないわよ!!あんた、私のメール無視したでしょ!!」
「ああ…、あれか…ゴメン。」
「まぁ、無視なんてよくある事だからいいけど…。読んでないね?」


何か重要なことが書かれていたのか?それなら悪いことをしてしまったなぁ…。
私は慌ててポケットの中の携帯を取り出してメールを見た。


『今日は楽しかったねー!あとさ、生徒会で連絡網作るみたいだから 副会長にメールしときなさいよー!
 これ、アドレスね→……@…』


「おう?!」
「副会長がお困りですよー。」
「今すぐ行ってくるわ!生徒会室にいるかしら…?」


私は生徒会室まで廊下を全力で駆け抜けた。



その頃の谷口くんは…

「あの、月野さん…お弁当箱忘れてる…。」

困っていた。