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Re: 嘘からはじまる恋 ( No.48 )
日時: 2011/01/09 17:55
名前: 蒼依 (ID: 1Fvr9aUF)


*第十一話 雅さんの秘密。*


「はぁー…今日は最悪な一日だったわ…。」

お弁当屋上に忘れてきちゃったし…。
まあ、谷口くんが放課後に持ってきてくれたから良かったものの…。
何なの!?副会長!! すっごく腹立つ!!


「はぁ…。」
「どうしたの、雅ちゃん。さっきから溜息ばかりよ?」
「店長…すみません。」

この人は母の知り合いの藤倉未来さん。
とても親切で明るい性格の人。

それにしても…仕事に手がつかないだなんて…。
絶対!副会長のせいだわ!!←結構根に持つタイプ。


「雅ちゃん、きっと疲れてるんだわ!今日はもうあがりなさい。」
「いえ、大丈夫ですよ!」
「ほら、これ持って帰りなさい。今日の残りよ。」


店長がそう言って差し出してくれたものは、今日のあまりを詰めたお弁当。


「ちゃんと食べるのよー!」
「はい!ありがとうございます!」


私がこのレストランでお世話になり始めたのは今年の春。母が病気で倒れてからだ。
一応父の稼ぎはあるが、私学の中学に通う妹がいる為 どうしてもお金が必要なのだ。

彩海高校はバイト禁止だが、許可が下りればバイトOK。
でも、私の理由では許可が下りなかった。だから内緒でバイトしている。

わざわざ隣町のレストランを選んで働いているのだ。学校側にバレルわけにはいかない。
店長さんにもお世話になってるし!


「じゃあ、今日はお言葉に甘えて帰りますね。」
「ええ、気をつけて帰るのよ。」
「はい、さようなら。」


控室に戻り、制服に着替えて
私はお弁当を持って店を出た。