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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 嘘からはじまる恋 ( No.64 )
- 日時: 2011/01/23 21:56
- 名前: 蒼依 (ID: 9ihy0/Vy)
*第十四話* 二人だけの秘密。
「ない…ないっ…!!」
ヤバい、大変なことになりました。
バイトで使う従業員の名札をどこかで失くしてしまったようだ。
家にあるといいんだけど…。
もしも学校で落としたりしていたら…!?
あーーっ、何で昨日持ち帰っちゃったのかな!?
とりあえず今日は店長に事情を説明して、仮の名札を付けて働くことにした。
でも、何をしていても仕事に手がつかなかった。
「みんなー、今日はもうあがってちょうだーい。」
「「はい。お疲れ様でした!!」」
うあああああ…迷惑ばっかりかけてしまった…。
さっさと帰って探さないと…!!
適当にロッカーにバイトの制服を突っ込んで私は早々と店を出た。
すると店の入り口に男が立っていた。暗がりで顔がよく見えないが、お客さんだろう。
「あの、もうお店やってませんよ?」
「…月野か。俺だ、本条だよ。」
「え…?」
…今、何て? 本条って…
入り口に立っていた男はだんだん顔がはっきり見える位置まで歩いてくる。
そこにいたのは間違いなく、会長・本条 慎也だった。
「コレ、落としてたぜ。」
そう言って手渡されたのは失くしたはずの名札だった。
つまり私は学校で名札を落とし、会長が拾った。
=バイトがバレタ。
「あ、ありがとうございます…。」
「俺の質問に正直に答えてくれ。…無断でバイトしてるのか?」
もう嘘ついたって仕方ない。
私は静かに頷いた。
「…そうか。今日はもう遅い、明日訳を聞かせてくれ。」
「はい…」
私は罰を受けるのだろうか…?
大きな不安に、その場から足が動かなくなった。
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