コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: サクラ ( No.12 )
日時: 2011/01/03 15:31
名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: LV9Enekb)

第10話 「告白」

翌日からあさかは玲奈たちとほとんど一緒にいるようになった。
もちろん3人は快くあさかを受け入れた。
あさかは優等生というイメージが強かったが、
仲良くなるにつれ、天然でおもしろいというイメージだと玲奈は思った。
「あはは!あさかってばおもしろすぎ!」
玲奈と水麻は大笑い。
「そうかな?私は真面目にしたんだけど。」
あさかは不思議そうに首を傾ける。
こんな日常が続いていた。
しかし玲奈は夏がぼうっとしていることが増えたのを不思議に思っていた。
あさかと仲良くなり始めてからだ。
始めはあさかが嫌いなのかと思ったが、そうではなさそうだ。
——夏、ぼうっとしてどうしたんだろう
そう思っていると夏が言った。
「佐々木っておもしろいな。」
その笑顔は本物だ。
——あさかのことは関係ないんだ。まぁ気にしなくていっか。
玲奈はそれから夏がぼうっとしていても気にしなくなった。

一方、夏はあさかと仲良くなり始めてからあさかといつ出会ったのか考えるようになった。
——いつだ?小学校は佐々木なんて知らないし。中学校は人数多くてわかんねぇし・・。
そう思っているためぼうっとすることが多くなったのだ。
——たまたま街中であっただけかもだし、気にしなくていいや。
夏も玲奈同様、あまり気にしなくなった。

そうして月日はたち、
あっという間に夏休み前日になった。
「もう夏休みかぁ!早い!」
水麻は目をきらきらさせて言う。
「本当だね〜。あっという間!」
玲奈も嬉しそうだ。
「ねぇ、女3人で一緒に遊ぼうよ!」
あさかが言った。
もちろん玲奈も水麻も賛成だ。
「いいよ!たくさん語ろう!」
「うんうん。楽しみだね!」
3人が夏休みの話題で盛り上がっていた時、
夏がふと水麻を呼んだ。
「川谷!ちょっと来て!」
「へ?」
水麻は突然の出来事に思わずまぬけな声を出す。
「用があるのは俺じゃないけど。」
夏は少しばかり困った顔をしているように見えた。
「わかった!ごめん、ちょっと行って来る。」
そう言い残し、夏と水麻は消えた。
「あれは告白だよ。」
「えっ!」
想像もしていない言葉があさかの口から出たため、玲奈は驚いた。
「夏が?水麻に?」
玲奈はあさかに聞きまくる。
あさかは少し驚いた顔をして笑った。
「違うよ。夏君は呼び出すように頼まれたんだよ。きっと友達から。」
玲奈は鈍感だ。
全く気づかなかった。
——水麻すごい!やったね。彼氏できるじゃん!
玲奈は自分のことのように喜んだ。
「ねぇ、あさかは何でわかったの?」
あさかは少し考えて答えた。
「えっと、中学生の時に・・告白とか盛んだったし。だから敏感になって。」
「ふぅん・・・。」
2人はドキドキしながら水麻が戻ってくるのを待った。