コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: サクラ ( No.3 )
- 日時: 2011/01/03 15:25
- 名前: 柚莉愛 (ID: LV9Enekb)
第4話 「特別な友達」
第二章 特別な友達
「ねぇ、玲奈って夏君のこと好きでしょ?」
6月に入ったある日。
玲奈は突然水麻に言われた。
「えっ!?」
玲奈は食べかけていたウインナーを吐き出しそうになった。
水麻は真剣な表情で続ける。
「実は私、見てたんだ。ずっと言えなかったけど。玲奈が夏君に保健室に連れて行かれる前のこと。玲奈泣いてたでしょ?それに、お腹が痛いっていうのも怪しいし。」
——うぅっ・・・あの日のことを見られていたなんて
玲奈は少し焦ったが、正直に話した。
「実は、あの日私が大切なものをなくしてしまって・・それを探すのを夏が手伝ってくれたの。」
「本当にそれだけ!?告白して振られたんじゃないの?」
水麻は鋭く聞いてくる。
「うん。別に告白なんかしてないし。っていうか好きじゃない!」
玲奈はここまで言えば水麻も納得するだろうと思った。
しかし甘かった。
「じゃあ、何で呼び捨てし合ってるの?」
「う・・・ん・・・。何か夏は特別なんだよね。」
「特別?」
水麻が聞き返す。
「うん。夏は今まで出会った男子の中でもすごく親切だし、話しやすいし、特別な友達になれるって思ったんだ。」
水麻はつまらなそうだ。
「え〜!!それって玲奈が夏君のこと好きだからじゃないの?」
玲奈は即答した。
「ないない!ただの友達だよ。」
玲奈は自分でもはっきりそう思っていた。
夏はただの友達。
恋愛とは違う。
——だって私には恋愛なんてする時間なんてないも ん。 桜ちゃんのために・・・
ちょうどその時。
「玲奈!英語のノート貸して♪」
夏が笑顔で言った。
「はいはい。でも夏!その笑顔怖い!」
玲奈はノートを渡しながら言った。
その様子をそばで見ていた水麻が口を挟む。
「ねぇ、なんで二人そんなに仲良いの?」
夏と玲奈は顔を見合わせる。
先に口を開いたのは夏だった。
「まぁ、俺らは信頼し合ってるからな。」
「そうそう。」
玲奈も肯く。
「え〜!そんなのおかしいよ〜!」
水麻はやっぱりつまらなそうだった。
その水麻の様子を見て夏と玲奈は笑った。