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Re: サクラ ( No.36 )
日時: 2011/01/07 23:11
名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: LV9Enekb)

第25話 「腕時計を君に」

部活中も桜は落ち着かなかった。
たった2時間がとてつもなく長く感じた。
そして11時になり桜は速攻「きらり」へ向かう。
玲奈とフードコートで昼食をとることになっているのだ。
フードコートにつくと玲奈はハンバーガーを食べていた。
「あ、桜ちゃん!早いじゃん。こっちこっち。」
桜もうどんを手に玲奈の正面に座った。
「私朝から色々探したんだけど・・。」
そう言って玲奈はメモ帳を取り出し桜に説明していく。
桜も興味津々で聞いている。
「その好きな人の趣味とかわかんないしさ。桜ちゃん情報ないの?」
「う〜ん・・・・。」
桜は考えた。
そして思い出した。
夏が以前腕時計を洗面所に落とし壊したと言っていたことを。
「腕時計だ!壊したって言ってた!」
「本当!?じゃあ早速時計コーナーに行こう!」
二人はハンバーガーとうどんを急いで食べ、時計コーナーへ向かった。
そこにはたくさんの腕時計が満遍なく敷き詰められていた。
「わぁ!ありすぎてわかんないや。」
玲奈はあっけにとられている。
桜が目に付いたのは、
紺の皮生地にモダンな感じの腕時計。
桜は夏がつけている姿を想像する。
——うん!絶対似合う。
「玲奈、私これにする。」
「えっ、もう決めたの?」
あまりの速さに玲奈は驚いている。
そして値段を見て言った。
「3000円だって・・・ちょっと高くない?」
たしかに二人にとって3000円は高い。
二人の月のお小遣いは1000円。
つまりお小遣い三か月分なのだ。
しかし桜は迷わず言った。
「好きな人にあげるんだもん。少々高くても痛くもかゆくもないよ。」
そして桜はその時計を買った。