コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: サクラ ( No.47 )
- 日時: 2011/01/09 21:43
- 名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: LV9Enekb)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi
第28話 「一斉クラブ会」
次の日から夏はクラスも違うし、名前も知らない桜のことが気になっていた。
いや、正確に言うと入学式の日からだろう。
その桜は1−Aということがわかった。
いつもにこやかな表情で歩いている。
夏は桜とすれ違う時桜を見ずにはいられなかった。
目が桜を追いかけてしまう。
それほどまでに桜のことを意識していた。
夏にも友達が出来た。
同じクラスの横山洋介(よこやまようすけ)という男の子。
洋介はとても明るくて夏ともすぐに仲良くなった。
だが、夏は洋介にさえ自分が一目ぼれしたことは言えなかった。
秘密にしたいわけではない。
むしろ協力してもらい桜のことをもっと知りたかった。
だが、今まで恋をしたことのない夏は恥ずかしくて言えなかった。
何も発展することのないまま、部活に入部する時期になった。
「ねぇ、夏は何部に入るの?」
洋介が聞いてくる。
夏は悩んでいた。
——俺したいこと何もないし・・・
「俺は色々仮入部して決めるわ。」
洋介もそれに賛成だった。
夏と洋介はひたすら色々な部活に仮入部した。
テニス部、バスケ部、バトミントン部、バレー部・・
——なんかどれもぱっとしないな・・・
「ねぇ、夏何部にすんの?もういい加減決めようぜ。」
洋介が少々いらついて尋ねた。
夏はどれもぱっとしないとは言えなかった。
「俺サッカー部にするわ。」
咄嗟の一言。
サッカー部には仮入部していないのに。
しかも夏はサッカーなど全くの初心者だ。
しかし洋介は嬉しそうに言う。
「まじ!?実は俺サッカーしたかったんだ!じゃあ決定な!」
「うん・・・。」
夏はいまひとつ盛り上がらなかった。
そして一斉クラブ会が行われた。
夏はもちろん洋介と一緒にサッカー部へ向かう。
その時、夏は桜とすれ違った。
桜は女の子の友達と話している。
「吹奏楽部って厳しいのかな?」
「さぁ・・・。でも強いんでしょ?楽しみだね!」
——吹奏楽!?あの子、吹奏楽に入るんだ。
桜は吹奏楽部に入部したのだ。
夏は吹奏楽にも仮入部すればよかったと後悔した。