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Re: サクラ ( No.51 )
日時: 2011/01/10 21:11
名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: LV9Enekb)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi

第31話 「初めての会話」

夏は中2に進級した。
「行って来ます。」
夏は誰もいない家に向かって言った。
仕事の忙しい両親は夏が起きる前に家を出ていた。
夏は学校へ向かって駆け出す。
今日は始業式。
夏が待ちに待っていたクラス替えがある。
夏はもちろん洋介とも同じクラスになりたいが、
桜と同じクラスであることを祈っていた。
同じクラスになったら話すチャンスができる。
自分の存在を知ってもらえる。
そしていつか告白して・・・。
そんなことを考えているといつのまにか夏は学校に着いていた。
「はぁはぁ・・。」
息を切らしながらクラス替えの紙を見に行く。
早く着いたせいか、夏以外誰もいない。
まずは自分の名前を探す。
苗字があ行のためすぐ見つかる。
夏は2−Aだった。
出席番号は一番。
次に桜の名前を探した。
——俺と同じA組でありますように!
上から順に見ていく。
桜はなんと夏と同じAだった。
夏は思わず一人でガッツポーズする。
そのあと洋介の名前を探したが、
洋介は2-Cだった。
「あ〜あ・・洋介と離れたか・・。」
洋介と離れたのはショックだった。
だが、洋介の性格ならクラスが違っても今までどおり仲良くしてくれるだろうと思った。
その時校門のほうから桜が一人で登校してきたのが見えた。
桜は真っ直ぐにクラス表の紙を見に来た。
桜は自分のクラスを確認したようだ。
「ねぇ、あなたなんていう名前?」
桜がふと夏にふってきた。
夏は突然のことに驚きながらも平然を装って答える。
「俺は安藤夏。そっちは?」
夏は桜の名前を知っていながら聞いた。
「私は松井桜。安藤君かぁ・・。あ!Aだよね?同じクラスだ!」
桜は夏の名前を指差して言った。
「そうなの?じゃあよろしく。」
夏は桜と同じクラスということも知っていたが言った。
「こちらこそ。」
桜も笑顔で言う。
これが夏と桜がまともに話した始めのことだった。