コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: サクラ ( No.54 )
- 日時: 2011/01/10 21:28
- 名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: LV9Enekb)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi
第34話 「君の隣」
その日から夏は桜にちょっかいを出すようになった。
普通に話しかければいいのだが、
照れ屋な夏にはそれができない。
ついつい意地悪口調になってしまうのだ。
「桜ってさちびだよな!」
桜は身長が低い。
中2ですでに168cmある夏から見れば146cmしかない桜は小人のようだった。
「毎日毎日ちびちびうるさいね!私だってそのうち伸びますよ〜だ!」
桜が怒りながら夏にあっかんべーをする。
その様子を中2になって桜と仲良くなった吉澤あさかがいつも見ていた。
こうして二人の距離は縮まりつつあった。
始めのうちは言い返していた桜も一ヶ月もするとあまり言い返さなくなった。
夏は不思議でたまらなかったが桜と話せるならどうだっていいと思った。
桜が怒らなくなった理由は夏のことを好きになったからであった。
夏はそんなこと知るはずもなかったが。
ゴールデンウィークが終わると席替えがあった。
夏はこの日が嫌で仕方なかった。
——はぁ・・・。とうとう桜と離れるのか。まぁ結構仲良くなれたし。 席が離れたって話す機会はいくらでもある!
そう自分に言い聞かせる。
担任の原野先生がくじを持って教室へ来た。
「はい!みんなが待ちに待った席替えです!まずは女子から引きに来てね。」
そう先生が言ったと同時に一斉に女子が立ち上がる。
桜もあさかと共にくじを引きにいく。
すぐに桜は戻ってきた。
「桜何番だった?」
夏が待っていましたと言わんばかりの勢いで尋ねる。
「えっと、3番!げっ・・・前から2番目かぁ・・。」
桜は窓側の列の前から2番目のようだ。
その隣は男子。
夏が4番を引けば桜の隣だ。
「じゃあ次男子来て!」
先生が男子を呼んだ。
夏は気合を入れて引きに行く。
——4番・・・4番!!
夏は引いたくじをドキドキしながら見た。
「!!」
なんと夏があれほど祈っていた4番だったのだ。
夏は嬉しい気持ちを隠しながら自分の席に着く。
「夏はどこ?」
桜が夏が席に着くのと同時に尋ねた。
「俺4番。って桜とまた隣かよ!」
夏はいやそうに言った。
本当はものすごく嬉しいのに。
「え〜!また夏?」
桜の表情を見るとどこかしら嬉しそうに夏は感じた。
——夏休みまでは桜の隣なんだ!やった!
夏は喜びでいっぱいだった。