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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: サクラ ( No.57 )
- 日時: 2011/01/13 22:37
- 名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: LV9Enekb)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi
第37話 「旅立ち」
夏休みがあけた。
教室内はやけに元気だ。
みんな真っ黒に日焼けしている。
夏は席に着いた。
隣に毎日いるはずの桜はもういない。
そう思うと夏はやりきれない思いでいっぱいだった。
そこへあさかがやって来た。
「夏君・・おはよう。」
あさかは昨夜ずっと泣いていたのか目が腫れていた。
「あ、吉澤。おはよ。」
夏も元気なく挨拶した。
あさかは何も言わず桜の席に座った。
「何で桜は死んじゃったのかなぁ・・?どうしてあんなにいい子が死なないといけなかったのかな?」
あさかはそう言うと俯きながらぽろぽろと涙を流した。
夏はそんなあさかから目をそらしながら言う。
「何でだろうね?桜は何で死んだんだろうね?」
夏は溢れそうな涙を必死で堪えた。
あさかは何も言わずそのまま席を立った。
その日以来あさかと夏が話すことはなかった。
桜のいない毎日を夏は必死で過ごした。
自分が桜のことを好きだったことは誰も知らない。
だからいつまでも落ち込むことは出来なかった。
そんな時夏に両親から重大な話がされた。
それはアメリカへの転勤。
中3の4月から高2の4月までだと両親から告げられた。
夏は一瞬迷った。
海外へ行くなんて・・。
だがこのままこの海棠中等学校へ通うことはできないと思った。
桜がいないのに。
「俺アメリカ行くよ。」
こうして夏はアメリカへ飛び立った。
中3の卒業式が終わって、
誰にもお別れを告げることもなく。
日本を離れて桜のことを忘れようと思った。
この時まさか日本に戻って桜の双子の妹の玲奈に会うとは思ってもみなかった。
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