コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: サクラ ( No.66 )
- 日時: 2011/01/30 18:46
- 名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: LV9Enekb)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi
第43話 「席替え」
翌日から玲奈は夏を視界に入れないようにした。
見てしまうと目が離せなくなってしまうから。
そんな玲奈に対し水麻が厳しい一言を浴びせた。
「玲奈!そんなんじゃいつまでたっても良い恋愛できないよ?
夏君とは今までどおり友達でいなって!」
「夏と約束したし・・・もう話さないって。」
「何でそんな約束したのよ〜!」
玲奈は言い返せなかった。
それから二週間がたった。
今日は席替えがある。
玲奈はこの日を待ちに待っていた。
——これで夏と離れられる・・・
担任の田村が教室に入ってきた。
「は〜い!みんな!今日は席がえよ〜」
一斉に歓声が上がる。
「静かに!じゃあ女子からくじをひきにきてね。」
玲奈は席を立った。
水麻が近づいてくる。
「これで夏君のこと忘れるって?」
「別に。もうなんとも思ってないから。」
冷たく言い放つ。
水麻はため息をついた。
「じゃあ柚姫ちゃんの恋も応援するの?」
玲奈は驚いた。
「何で知ってるの?」
「詩織から聞いた」
詩織と水麻は同じ塾だった。
「応援するよ」
玲奈は早口で言うとくじを引きに行った。
くじの結果、
玲奈はクラスでも地味な草食系男子、
榎本樹(えのもといつき)の隣になった。
水麻は偶然瞬の隣になったため喜んでいる。
夏のことが好きな柚姫は残念ながら隣になれなかったようで
詩織と悲しんでいる。
夏の隣は、なぜか空席だった。
「先生!なんで俺の隣は空席なんですか?」
夏が田村に聞いた。
「あ、みんなに言ってなかったんだけど、4月から入院していた上谷さんが来週から戻ってくるの!」
「え〜!?」
クラス中からまたも歓声が上がる。
「上谷さんだって!」
「どんな子だろ〜?」
みんな興味津々だ。
夏は近くの席の男子となにやら話している。
「上谷さんって誰だろ・・・」
玲奈はその上谷さんのことを知らなかった。
彼女は昨年は玲奈とクラスが違ったのだ。
星が丘は1学年6クラスあるため、
かかわりがない人は同級生でもわからない。
——仲良くしたいな
玲奈も上谷さんを歓迎していた。