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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: サクラ ( No.70 )
- 日時: 2011/01/30 18:50
- 名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: LV9Enekb)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi
第46話 「水麻の名言」
「えっと、ここをⅹに置き換えて・・・わかる?」
「うん。ここはわかる。」
放課後。
小春は約束どおり夏に勉強を教えてもらっていた。
小春は入院していた時も病室で少しは勉強していたものの、
授業にはずっと出ていなかったため苦手な数学が危うい。
数学が得意な夏はとてもわかりやすく丁寧に教えた。
「玲奈・・玲奈ってば!!」
ふと気づくと水麻が必死に玲奈を呼んでいた。
「え?」
「えじゃないよ!ずっと呼んでたんだから・・そんなに二人が気になるなら・・」
玲奈はその言葉を遮る。
「気になってない!ぼうっとしてただけ!帰ろう。」
そう言い玲奈は慌てて教室を出る。
正直水麻の予想は図星だった。
玲奈は小春と夏をずっと眺めていたのだ。
小春と夏の関係が羨ましかった。
諦めると決意したのにそんなことを考えていた。
「玲奈〜もういい加減認めたら?」
水麻がため息混じりに言う。
「何を?」
玲奈は苛立ちを押さえ尋ねる。
「夏君のこと!諦めきれないんでしょ?好きだって認めたら?」
「・・・・」
いつもならここで言い返す玲奈だが今日は言い返せない。
図星だから。
水麻は優しい口調で玲奈を宥める。
「桜ちゃんにちゃんと自分の気持ちを伝えてみなよ。きっとわかってくれるよ。もしわかってもらえなくてもライバルでいればいいんだから。」
「ライバル?」
「うん。別に玲奈が遠慮する必要なんてないでしょ?恋に先もあともない!」
水麻は玲奈に微笑みかけた。
——本当に?私が遠慮する必要なんてないの?桜ちゃんは死んでいるのに?
玲奈はまだ迷っていた。
それを察したのか水麻が付け加える。
「まぁ、玲奈が今のままでいいっていうなら私は何も言わないけどね。」
それから二人は無言で帰った。
——私はどうしたいの?
玲奈はずっと自分に問いかけていた。
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