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Re: サクラ ( No.82 )
日時: 2011/01/30 19:08
名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: LV9Enekb)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi

第50話 「あなたの気持ちが知りたい」

——あれ・・・?ここはどこ?
  なんで私はベッドの中にいるの?
意識を戻した玲奈は状況がつかめずにいた。
「玲奈!目覚ましたんだな。大丈夫?」
自分に声をかけてきたのは夏だった。
「な、夏?」
玲奈は同様を隠しきれない。
「うん。俺が運んだんだ。貧血だって。あと足が折れてるかもしれない。」
玲奈は夏の目を見れずにいた。
ドキドキしすぎて足の痛みなど感じていない。
「そうなんだ・・・ありがとう。」
夏の目を見ずに言った。
それを夏は自分と話したくないのだと勘違いした。
「ごめん。話さないって約束したのに・・もう話さないから。」
夏は椅子から立ち保健室を出ようとした。
「待って。そばにいて。」
玲奈は必死で夏を止めた。
夏は黙って先ほど座っていた椅子に戻る。
玲奈は今度は夏の眼を見て話した。
「私、夢の中で桜ちゃんと話したの。桜ちゃんはね私が夏を幸せにしてあげてって言ったよ。」
「そうなんだ。」
夏も玲奈の目を見る。
「うん。私、ずっとずっと夏のこと好きなの。桜ちゃんのためって何度も諦めようって思ったけど無理だよ・・・」
夏は真剣な表情で玲奈を見つめていた。
「ごめん。俺が好きなのは玲奈じゃなくて桜だから。」
その時保健室の扉が開いた。
入ってきたのは近藤だった。
「あ、松井さん目を覚ましたのね。病院行くわよ!」
夏は黙って保健室を出た。
「あの子、ずっとあなたのそばにいてくれたのよ。」
「そう、なんです、か・・・」
玲奈は近藤に気づかれないように声を押し殺して泣いた。