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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: サクラ ( No.83 )
- 日時: 2011/02/01 16:33
- 名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: LV9Enekb)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi
第51話 「1%の確立」
「全治一ヶ月。骨折だって。」
ここは東京総合病院。
近藤に連れられ玲奈はタクシーでここに来た。
先ほど診察が終わったのだ。
「良かった・・・玲奈が死ななくて。」
こっそり学校を抜け出してきた水麻がわんわん泣く。
「水麻ってば大げさ!これくらいで死なないし。」
玲奈は水麻の頭を撫でた。
「あら?なんで川谷さんがいるのかな?」
そこへ近藤がやって来た。
近藤は水麻を見て驚いている。
「あはは〜ちょっと抜けちゃいました。」
水麻は笑ってごまかそうとした。
が、そうはいかない。
「あははじゃないでしょう。全く!私は今から手続きとかあるからあなたたち二人でタクシーで学校に戻りなさい。」
「は〜い」
二人は返事をして笑った。
「今回はあなたたちの友情に免じて許してあげる。これタクシー代ね。」
近藤は玲奈に5000円札を渡すとすたすたと先ほど来た道を戻っていった。
「行こうか。」
水麻が玲奈に手を差し出す。
「ごめんね。」
玲奈は水麻に支えられて歩き始めた。
「知ってる?玲奈は夏君に運ばれたんだよ?」
水麻が歩き始めた途端感情を強くこめて言った。
「知ってるよ。」
玲奈は先ほどのことを思い出すと泣きそうになった。
「よかったね!絶対夏君も玲奈のこと好きなんだって!」
水麻は嬉しそうに言う。
気持ち歩く速度も早くなっている。
「違う・・・私夏にちゃんと告白したんだよ。
でも夏がすきなのは私じゃなくて桜ちゃんなんだって・・・。」
玲奈は抑えていた涙を再び溢した。
涙は水麻の腕に落ちていく。
「そうだったの・・・。玲奈、辛かったね。」
そういうと水麻は玲奈の背中をさすった。
玲奈はさらに声を上げて泣く。
二人はタクシーに乗った。
学校に着くまで無言だった。
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