コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: サクラ ( No.87 )
- 日時: 2011/02/06 18:33
- 名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: LV9Enekb)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi
第52話 「自分に正直になれ」
「何で松井を運んだんだよ?」
夏が玲奈を運んで教室に戻ってきた後、
瞬は夏にしつこく聞いていた。
「何でって倒れた人がいたら助けるのが普通だろ?」
夏は制服に着替えながら言う。
「は?じゃあ松井じゃなくても運んだの?」
「もちろん。」
瞬は納得していない。
「お前が松井を運んだのは松井が好きだからだろ?」
「は!?」
夏は今までにない反応を見せた。
瞬はその反応を見て面白そうににやける。
「ほらな図星。」
「違うって。俺は好きな人いるんだってば!」
思わず夏は瞬に詰め寄る。
瞬は相変わらずにやけている。
「夏さいっつもそう言うけど好きな人って誰なんだよ?」
この質問には思わず夏も黙ってしまった。
——玲奈の双子の姉・・しかも死んじゃったなんて言えねえよな
夏が黙ったのを見て瞬は勝ち誇ったように胸を張る。
「ほらな。自分に正直になんなって。」
先に着替え終わった瞬は教室を出て行った。
「自分に正直になれか・・・」
夏は一人考えていた。
「玲奈ちゃん!水麻ちゃん!」
病院から帰ってきた二人を迎えたのは
笑顔の小春と険しい顔つきをしている担任の田村だった。
「松井さん、怪我は大丈夫?」
田村は心配そうに玲奈に尋ねる。
「はい。今は痛みも引いて。大丈夫です。」
「そうよかった。」
田村は玲奈に笑顔を見せ
隣にいる水麻を見た。
その途端顔つきが変わる。
「川谷さん?無断で授業サボってどこ行ってたのかな〜?」
普段あまり怒らない田村だがこのときは玲奈も怖いと思った。
「えっと。。。ちょっと・・・お見舞いに。」
水麻は笑ってごまかそうとする。
「ちょっとじゃないでしょ!友達思いなのはわかるけど、授業をサボるなんていけません!今から生徒指導室に来なさい!」
「はい・・・」
田村は水麻の手を引っ張るように生徒指導室へ向った。
「あ〜あ・・水麻ったら。」
玲奈は思わず笑ってしまう。
「水麻ちゃんなら笑って戻ってくるよ。」
小春もにこにこしていた。
「私達も教室戻ろうか。」
「うん。」
小春と玲奈は教室へ向った。