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第５３話　「こはるんの春恋」

「玲奈ちゃん・・・私玲奈ちゃんに相談したいことがあるの。」
教室に行く途中。
小春が玲奈を見つめて言った。
「何？私が力になれるんならなんでも言って。」
玲奈は小春に微笑んだ。
「実は、初めて好きな人が出来たの。」
小春は頬を赤くした。
少し恥ずかしそうだ。
「え！そうなの？おめでとう！」
玲奈は心をこめて言った。
——こはるんはかわいいし、絶対上手くいくよ
「で、誰？同じクラス？」
「うん。」
玲奈はなぜか楽しくなってきた。
「あと・・・部活は？」
「してないと思うよ。」
ここから大分絞られてきた。
——ん？部活してないのって・・夏と日浦君と榎本君しかいないよな
日浦と榎本は
クラスでも地味でイケメンと言うわけではない。
「安藤夏・・？」
玲奈が言った途端、小春が真っ赤になった。
「そうだよ。安藤君はいつも優しいしかっこいいし・・・・」
玲奈は言葉が出ない。
小春は夏のことをどんどん話し始める。
その時教室に着いた。
玲奈は自分の席に着こうとする。
「玲奈ちゃん！放課後、続き話そう。」
小春は玲奈の返事を聞くまもなく自分の席に着き
夏と話し始めた。
——どうしよ・・・正直に言わないと・・・
玲奈は一人冷や汗をかいていた。