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Re: サクラ ( No.98 )
日時: 2011/03/16 16:48
名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: bLTkk.cx)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi

第56話 「こはるんと玲奈」

小春は息をきらして教室へ入った。
「そん・・・な、の・・だ・・め・・・」
そうとう走って来たのだろう。
体の弱い小春はそのまま意識を失い倒れた。
「こはるん!」
玲奈が叫んだのと同時に
夏は小春を抱きかかえ教室を飛び去った。
一人残された玲奈はその場にしゃがみこむ。
——こはるんは何をだめって言ったの?夏は何を言おうとしていたの?
玲奈の頭の中は疑問でいっぱいだった。

それから授業が始まっても
二人は戻ってこなかった。
小春はそのまま救急車で病院に搬送され、
夏も付き添って行ったらしい。

5時間目が終わった頃。
夏が教室に戻ってきた。
「ねえこはるんは!?」
「こはるん大丈夫なの?」
一斉にみんな夏に質問する。
「こはるんは特に命には異常はないよ。でも2、3日入院するって。」
その一言を聞いたみんなは安堵の声をもらす。
小春が倒れたのを見た玲奈はとても安心した。
「こはるんよかったよね。」
隣にいた水麻も嬉しそうだ。
「うん。」
教科書を持って移動教室をしようとしている二人の前に夏が現れた。
「玲奈・・・ちょっといい?」
久しぶりに名前で呼ばれた玲奈はどきっとする。
それを見ていた水麻は確信した。
——告白だぁ!
「いいよいいよ。じゃあ、私先に言ってるから。」
玲奈ではなく水麻は答えると
スキップをしながら先に行ってしまった。
「どうしたの・・?」
玲奈は今朝のことを思い出してどきどきした。
「俺、こはるんと付き合うことになった。」
その瞬間玲奈は手に持っていた筆記用具を落とした。
「それだけ言いたかったんだ。」
夏はそういうと走って行ってしまった。
「う・・・・そ・・・・」
玲奈はしばらくその場に立ち尽くしていた。