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Re: サクラ ( No.99 )
日時: 2011/03/16 17:03
名前: 柚莉愛 ◆VoHZnMKTK2 (ID: bLTkk.cx)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi

第57話 「つらいこと」

水麻は一人化学室でわくわくしていた。
—— 夏君も自分を認めたのね。玲奈すんごい笑顔で戻ってくるだろうな。戻ってきたら質問攻めしなきゃ!
夏が玲奈に告白をするとばかり思っていた水麻は
夏が一人で教室に入ってきたのに驚いた。
「えっ・・?ちょ・・夏君、玲奈は?」
水麻が夏に尋ねた。
「来ると思うけど。」
夏の返事はそっけなかった。
夏の様子から見て水麻は告白をしたのではないと感づいた。
玲奈が来るのを待っていたが玲奈はチャイムが鳴ってから数分後に来た。
玲奈の表情は怖いくらい真顔だった。

授業が終わった。
水麻は玲奈の元へ歩み寄る。
「玲奈、さっき何があったの?」
「水麻・・・」
玲奈は水麻を見るなり泣きだした。
「玲奈、とりあえずここ出よ?」
水麻は玲奈を支え、科学室を出た。

すべてを聞いた水麻は絶句した。
「何で?こはるんと?夏君は桜ちゃんのことずっと大事にするんじゃなかったの?」
「わからない・・。でも夏は『自分に正直になる』って言ったの。」
ようやく泣き止んだ玲奈はハンカチで顔を拭きながら答えた。
「でもなんでこはるんと?玲奈じゃなくて?」
水麻は納得いかないようだ。
「こはるんのことが好きになったんだよ。」
玲奈は自分に言い聞かせるように言った。
「水麻ごめんね。私、あの二人を見るのがつらいよ。無理だよ。」
水麻はまた玲奈が泣くのではないかと心配だったが
玲奈は涙を堪えている。
「うん。それは誰でもつらいよ。無理しなくていいよ。」
優しく玲奈の肩を摩った。