コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 君のために *実話* ( No.39 )
- 日時: 2011/02/09 20:47
- 名前: 未羅 ◆I/.b8govos (ID: S7/.WdDv)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v
第十話
いつだろう。
こんなに声をだして泣いたのは、人の前で涙を見せたのは。
溜まっていた涙が一気にでていったとき、私は何か1つ成長したような気がした。
『私は私なんだ』
もう1度心の中で繰り返し、自分は自分らしく可奈と怜のことを解決したいと思った。
まっすぐに気持ちを伝えたいと思った。
ごめんなさい、可奈。
大好きです、怜。
***
「宇乃、全部だした?」
「っぷ、だしたって言い方!」
私は華南に言って2人は笑いあった。
華南は本当に優しくて支えてくれた。
「華南、ありがとうね」
「うん、気にすんな!」
そういって華南はピースマークをした。
私も零れ落ちそうな涙をこらえて返した。
私は華南にお礼をいった後、可奈のところに向かった。
そうです、今から 宣 誓 布 告 します。
陰でせこいことなんてやってられない。
堂々と私は気持ちを伝える。
これが正解なんてわからない。
でも今はただ自分が決めた道を信じる。
「可奈、ちょっといい?」
「え?・・・うん。」
私と可奈の対決がはじまった。
私は可奈と人気のない3階の廊下にいった。
少し怖くなった、怖気づいてきた。
でも・・・、言わなきゃいけない。
ゆっくりと息を吸い、私はきりだした。
「私・・・あの・・・、」
言葉が見当たらない。
頭が真っ白に近かった。
「えっーと・・・、私も怜のこと好きだから・・・!」
言った!、ついに言いました!
土岐 宇乃、言いましたよ!
・・・でも可奈は何も言わない。
15秒ほどの沈黙が続く。
「あの、さ・・・
可奈の口が開いた。
私の鼓動も高くなった。
「人を好きになるのはしかたがないことだし、私は宇乃をうらんでないよ?・・・さっき泣いてたよね?」
「・・・えっ!?見てたの!?」
「宇乃のせいじゃないからさ、また泣いたら許さんぞ?」
一気に可奈がにやっと笑った。
私も可奈の顔を見て笑う。
私と可奈は初めてお互いの気持ちを正直にぶつけた気がした。
だからこそ、心から笑えたのだと思う。
でも、自分の気持ちを素直にいうことが可奈にとってどれほどつらいことだったかまだ私をよくわからなかったんだ。
第十話** end