コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 君のために *実話* ( No.45 )
- 日時: 2011/02/20 15:29
- 名前: 未羅 ◆I/.b8govos (ID: OPVNjM8g)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v
第一章 第十二話**
生徒会室からは渡り廊下がちょうど見える。
私と怜は生徒会室を入った入り口の前で伏せていた。
私は手ぬくもりを嬉しく思いながらも伏せていた。
怜はいかにもやばそうな顔をしていた
紀子の声はだんだん近くなっていく。
「なーんかここ怪しい」
そういう声が聞こえたときにはもう遅かった。
生徒会室の扉は大きな音をたてて開いた。
その音がどれほど私の心臓を大きくさせたのだろうか。
紀子は私たちを見て唖然としていた。
「なにしてんの?」
頭が真っ白になった。
「あの・・・」
そういいかけたとき、入り口には可奈がいた。
可奈は私たちをみると泣きだしそうな顔で教室に走って戻って行った。
このときにはもう遅かった。
私は最低なことをしてしまった。
***
さっきまで幸せだと思っていた私はバカみただった。
私が幸せなときはその分、影で誰かが傷ついているということに気づいて気づかないふりをしていた私はとても最低だった。
あれから何分たったんだろう。
私と怜との間では沈黙が続く。
下校時刻は刻々とせまる中、怜の一言が響いた。
「帰ろっか」
私はきっと今日のことをずっと忘れないんだろう。
誰かを確実に目の前で傷つけてしまった苦しみを私は絶対に忘れることなんてできない。
私たちが教室に行くと教室にはまぶしく夕日が差し込んでいた。
いつもなら綺麗に見える夕日までもが残酷に見えるような気がした。
怜のかばんの近くに手紙と1つの紙袋がおいてあった。
「可奈からだ」
誰もいない教室にはその怜の声だけが響く。
聞きたくない名前と共に。
怜が黙って私に手紙を差し出す。
私も黙ってそれをうけとり、1つ1つ読んでみた。
『怜へ
少し遅くなっちゃったけどクリスマスプレゼントです。おいしくないかもだけど食べてください。
あと私は怜のこと信じてるよ?』
まっすぐに怜を信じぬく可奈の愛情が伝わってきた。
下には紀子からの手紙も置いてあった。
『怜君へ
もう少し考えて行動しなさい。
君の彼女はいったい誰?』
2人の手紙をみると私が今、していることの最低さを感じさせられた。
私は自分が情けなくなった。
その場から消えたくなった。
「宇乃?」
怜が私に声をかける。
私はあふれ出しそうな涙をこらえていった。
「なんでもない!じゃーね、怜。」
そういって教室をでて歩いた。
君と私の曖昧な関係のタイムリミットは終わった。
第十二話** end