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Re: 世にもベタな冒険モノガタリ ( No.2 )
日時: 2011/01/10 16:36
名前: 玖織 ◆Kqe55SnH8A (ID: 7aD9kMEJ)

#2
  
 30分前

「あの…柏木君、あたし…その」
 目の前には金髪ガン黒の女子。
 そして…
 数メートル先の物陰には、茶色のポニーテ—ルの女子。
 この後、どすの効いた声で俺を追い掛け回しまくる女、一ノ瀬 美玲(イチノセ ミレイ)がいる。

「えと…あのね、ん…と」
 もごもごと喋る、見た目と全然合わないガン黒さん(俺命名)を前に、かれこれ20分は立っている…気がする。
「…ッ! あたしっ…」
 お、来るか?

 まぁ、見ての通り、まさかの告白シーンだな。
 ふーむむむ…
 自分で言うのもなんだが、よくある事だ。
 そこらへんの男よりはイケてると思う。

「和羅君のことが…!」
 外見に似合わず(失礼)君付け。

「す…」
 ほら、あと一文字。

「す…すすすす…」
 いやいやいや、違うだろ…

「…すッ! すき焼きみたいだなって、思ってたのッ!!」
「はああああぁぁぁぁぁあ!?」
 脳裏に上手そうなすき焼きが浮かぶ。
 あ、昨日の夜食ったか。

 て、違くて。

 20分立たされて、
 ガン黒のくせにモジモジして(失礼)、
 あげくにすき焼きだああぁぁぁああ!?
 ふざけるにも程があるぞいっ。

 ふざけんなっ!!

「っちょっと! 和羅!! そんな言い方ないでしょ!?」
 ずんずんとポニテが歩いてくる。
 バックにどす黒いオーラを従えて。

 どうやら心中を吐露したよーだなw

「君、話は後日聞く! 俺は命が惜しいッ!!」
 ガン黒さんの肩をバンバン叩き、逃げの姿勢に入った。
 くそ、赤面してやがる。

「じゃあなッ」
 …そして、今に至るわけだ。