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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 世にもベタな冒険モノガタリ ( No.4 )
- 日時: 2011/01/11 13:08
- 名前: 玖織 ◆Kqe55SnH8A (ID: 7aD9kMEJ)
#3
「待てッ、美玲!! 話せば分かる! 円満かつ平和的にいこうじゃないか…ぁ」
「じゃあ逃げるなぁあああ!!!」
無理ゆーな。
さっきも言ったが、俺は命が惜しい。
逃げるのはそれ所以。
「待ちなさいッ!」
と、跳躍する美玲。
言い忘れてた…ってか俺も忘れてたが、あいつ運動神経超抜群だったっけ…ひええぇぇ…。
俺だって運動は出来る方だが…かなわん。無念。
嗚呼、走馬灯のように今までのおもひでが…
「なあ…ッ! なにも取って食いやしないわよッ」
ふむ、また心の声がそのまま出たようだな。
「いや、そーゆー危機を感じているから逃げてる訳でして…」
路上に組み敷かれたまま、貧弱な声を絞り出した。
あ、ちなみに美玲は前に7m、上に4m程飛んできやがった。
「だから無いッ! 断じてないッ!!」
「や、分かった、冗談だよ。でさ、提案なんだが」
ここで俺はわざとらしく空咳をした。
「とりあえず、どかないか? 上から」
「は?」
なにがなんだか分からない、こいつ馬鹿か? な目で美玲は俺を見下ろした。
「そんな目で俺を見るなぁあ!! だからさ、この姿勢…」
ここまで言った所で美玲もようやく俺が何を言ってるのか悟ったらしい。
「な…、え、でもっ! そんな事…」
赤面する女子は可愛いけどなー、さっき地獄を見たからなぁ。
あ、もちろんガン黒さんだ。
「赤面モジモジはもういいから」
「お前…」
「いえ、ご馳走様ですッ」
意味不明な言葉を並べ、美玲をどかす。
「話は明日だ。今日用事があるって言ったろ」
「あ、今日…お母様の…」
「ん、じゃあな」
ヒラヒラと手を振り、美玲に背を向けた。
あと15分。
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