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おいでませ、助太刀部!! ( No.12 )
日時: 2011/04/24 16:30
名前: 野宮詩織 (ID: CrVsa58M)

第2章 「え!? 本当に依頼とか来るのか!?」
(part2)

話をまとめると、笠井先輩の片思い相手は生徒会長の相坂真という人だそうで、その人に告白したいが1人じゃ勇気が出ないから助太刀部に手伝って欲しいということらしい。

「ふむっ! つまるところ、生徒会長に告白したいんだねっ?」

単刀直入すぎねぇーか!?
やっぱり、こういう依頼はお子様には早いんじゃないだろうか…?

「は…はい。 そういうことですわ……」

相手が細かいことを気にとめない人で良かった。
もし、デリケートな人なら今頃、泣きながら廊下を疾走しているに違いない。 うん、きっとそうなっただろうな。

「うーん、会長以外で生徒会の中に親しい人はいる?」

さっきから気になってはいたんだが先輩に向かってタメ口は許されるのだろうか?
子供だから大目に見てもらえているだけなのか、ただ単に笠井先輩の心が広いだけなのかが少し気になる。

「いないですわ……。 それどころか、副会長の川原さんに至ってはライバルなんですの……」
「三角関係なんだねっ?」
「はい……」

川原という人は俺も知っている。
四月朔日ほどじゃないが、性格の悪さで有名な人だ。
他学年にまで、悪名が広まるということは、かなり性格が悪い可能性があるな……。

「それなら、とりあえず、他の生徒会を味方につけようっ! 上手くすれば、生徒会長の気持ちも聞き出せるかもだしねっ!」

深間にしてはマトモな提案だった。
先輩もその提案に賛成らしく、首を縦に振った。

「はい。 そうできれば、それが一番良いのですが、わたくしは残りの2人とは知り合いじゃないのですが……」

2人? 生徒会長と川原先輩を引いても3人ではないだろうか?

「2人?」

深間の隣で記録をとっている伊野も不思議に思ったらしい。
深間が「今、気付いたっ」と言ったのはスルーしよう。
ボケを1つずつ拾っていたら、大変な時間になってしまう。 大変な役でハコにされてしまう。
はい、そこ! 「お前もボケてんじゃねぇーか」とか、そういうこと言わない!!

「えーと、ですね。 もう1人の副会長の方は川原さんに惚れているので、彼女に嫌われているわたくしの味方はしてくれないと思うんです……」

なんかよく分からないけど、生徒会も複雑な人間関係なんだなぁ…。

「そーなのかーっ。 とにかく、歩ちゃんと四月朔日は味方に出来るんでしょっ?」

今のセリフはボケじゃないよな? 偶然だよな? ボケだとしても、元ネタがわからないからスルーしよう。

「多分な」
「いや、99%協力してくれるよっ」

……どういうことだ?
桜はともかく四月朔日が協力してくれるとは思えない。

「岡崎が行けばの話だけどねっ!」

もっと、わからなくなった。

「つまり、岡崎翔をあの2人に生け贄として差し出せば、味方に付いてくれる可能性が跳ね上がる」

伊野の言葉を聞き、即座に逃げようと扉を開けたのだが、結果として臨死体験をするのが早まっただけだった————

「岡崎、今日こそお前を殺す……!!」



なぜなら、扉の前には桜歩がいたのだから。