コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- おいでませ、助太刀部!! ( No.129 )
- 日時: 2011/04/17 09:23
- 名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: CrVsa58M)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=bnJX7XJ7Bik
第8章 「吾こそ翔の正妻なのじゃ!!」
(part14)
♪テーマ曲 水橋ジェラシックパーク/miko(IOSYS)
ほら、見ろ。
中子の言葉に松でさえもため息をついちゃってるじゃねぇ−か。
「まず、中子たんは反省してくださいです。 それから、月海たん!」
松がビシッという擬音が聞こえてきそうなくらい、しっかりと月海を指差した。
「なんじゃ? 吾は何もしておらぬぞ?」
嘘つけ!!
今さっきまで、暴れてたじゃねぇ−かよ。
「さっき禁則事項を破りまくってた人が何を言うですか」
「うっ……」
松の最もな正論に、月海が言葉を詰まらせる。
「忍たんもあんまり翔たん達に迷惑をかけないで欲しいのですよ」
松の言葉に肯定するために首を縦に振る。
「いや、ムリだよ。 俺は、俺と弟たちが楽しければなんだってオッケーだと思ってるからね」
本当に自己(と弟)中心的だなぁ……。
あれ? なんでだろう。
めっちゃ鳥肌がたってきた。
「ダメなのですよ! とりあえず、月海たんと中子と忍たんは松と一緒に『兎月』ゲフンゲフンッ……とにかく、帰りましょー」
松が禁則事項の部分を誤魔化そうと咳をしたふりをしたが、どう考えても時すでに遅し。 思いっきり、組織名を言ってしまっている。
そして、そんなことを無かったこととして、松が3人の襟を掴んで引きずろうと頑張っているが、3人の人間を同時に引っ張れる腕力を持ち合わせているとは思えない。
特に兄貴は細身だが筋肉質だしなぁ……。
「嫌じゃっ! 吾は限界まで翔と共にいたいのじゃっ!!」
……さっきは反応しなかったのに、なんでココで言い返すんだ!
「私もココに居たいわぁん♪」
月海に便乗する形で、中子も反論した。
こいつらは反抗するところを大いに間違えていると思う。
「ちょっと、放して! 俺は相斗を迎えに来たんだよ! だから、相斗が見つかれば自動的に帰るよ」
今回、兄貴を追いかえしていないのは、この大義名分がある為だ。
これがあるせいで怒れない。
「相斗って誰ですか?」
松が疑問を投げかけてきた。
よく考えてみたら、逆に相斗にも月海や中子のことも言ってなかったんだよなぁ……。
「俺が愛している弟の1人☆」
兄貴が満面の笑みを浮かべて答える。
正直、気持ち悪い……!!
「で、翔の幼馴染でもあるよ」
兄貴が笑みを崩さずに言った。
「幼馴染でもある」というか、それ以上の関係は無い。 例えば、血縁関係とか。
「そうなのですかー。 ちなみに、忍たんにとって、どっちの方が可愛いですか?」
松が兄貴に意味の無さそうな質問をする。
「んー……。 翔かなぁ? あ、でも相斗も可愛(ry」
兄貴は松の質問に答えようと異常なレベルにまで真剣に考え始めたが、一向に答えは出ないらしい。
もう、一生でなくていいと思う。
「さぁ、最大の敵は封じ込めましたですよ」
そういうことか!!
松がこんな意味の無い質問をしたのには、兄貴を封じ込めるというちゃんとした地優があったからだったらしい。
「月海たんと中子たんは松が責任を持って連れ帰りますから、忍たんをよろしくです」
松が言った。
中子と月海も渋々ながら了承したらしく、松と共に扉の前へと歩いて行った。
本当にありがとう……!!
マジで助かった……!!
「最後に1ついいですか?」
「なんだ?」
松には助けてもらったわけだし、多少の頼みなら聞き入れてやるべきだろう。
「私と一緒に寝てくd「断る」酷いですぅ〜」
酷くなんて無いと思う。
こんなアホみたいな頼み事をしてくる連中が最近、俺の周りに増えてきた気がする。
頼みは流石に断ってしまったが、月海と中子と松は本当に帰ってくれたらしい。
有り難い限りだ。
残った大きな問題は1つ。
「えー、無理! どっちも可愛くて甲乙付けられないよ!!」
————————————1人で悩み続けている兄貴だ。