コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

おいでませ、助太刀部!! ( No.132 )
日時: 2011/04/18 20:56
名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: CrVsa58M)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=bnJX7XJ7Bik

第8章 「吾こそ翔の正妻なのじゃ!!」
(part15)
♪テーマ曲 水橋ジェラシックパーク/miko(IOSYS)

兄貴は一体、いつまでいるつもりなのだろうか。
うーん、相斗が見つかれば帰ってくれるか……?

「ねぇっ、岡崎っ! 風葉が物凄いうなされてるよっ!!」

深間が今にも泣き出しそうな顔で助けを求めてきた。

「あぁ……。 割といつものことだ。 とりあえず、起こせば大丈夫なはずだ」

相斗は嫌なこと————主に両親のことを思い出してしまうらしく、しょっちゅううなされている。
もっとも、俺が朝に弱いため、確認できるのは相斗が昼寝をしている時くらいなものだが、眸や兄貴たちによれば、朝も夜も寝ればもれなくうなされているらしい。

この嫌な夢のせいで、相斗に変な癖が出来てしまったが、まぁ、それについては説明する必要しなくていいよな。

「私も起こそうと思ったよっ? だけどねっ……」

深間が言葉を濁す。
まさか、起きる気配がないとか……!? 相斗は俺と違って寝起きがいいから、起きないってことはついに寿命が来たのか……!?

生きてるよな!? 生きてなかったら、俺、超泣くぞ!?

「風葉が寝返りをうって、壁際に寄っちゃって……」

ん? そんな重大な事故が起きたという訳ではなさそうだな。
強いて言うなら、壁に対して思いっきりヘッドバッドを極めて、自爆したとかそれくらいじゃないか?

「手が風葉のいる位置まで届かなかったのっ」

……ある意味、重大な事故だな。
高校生になっても、たかがベッドの奥まで手が届かないのは結構ヤバい。
この前、「私は145cmだよっ」とか言ってたが、きっと本当は130cmあるかないかの身長なのだろう。 逆サバ読みをしてたってわけか。

「分かった。 じゃあ、俺が起こしに行ってくる」
「ちょっと待って!」

相斗を起こすために、仮眠室に繋がるドアのドアノブを掴む直前に兄貴に止められた。

「ここは兄さんがハァハァ起k「ダメだ!! 絶対、ダメだ!!」相斗ーーーーーーーーーッ!! 今、行くからねーーーーーッ!!」
「話を聞けって言ってるだろうが!!」

俺の制止を完全スルーして兄貴が仮眠室の扉を開けて、中に突入していった。
……もう、俺、知らない。
人様にお見せできないことになる可能性がある為、扉を閉めておく。 もれなく、相斗が逃げづらくなったが、背に腹は替えられないからな。

『相斗、起きて! 兄さんと遊ぼうよっ!!』

扉越しにテンションが上がりまくってる兄貴が相斗をバシバシと叩いている音と起こそうとしている声が聞こえる。

『ん……。 忍さん? おやすみなさい、永遠に』

相斗が寝起きだというのに、思いっきり毒を吐いた。
無駄に的確な毒舌だな……。

『起きた? 久しぶりに、相斗と密室で2人っきりになれたからね、テンション上がって混乱してるけど気にしないで!』
『密室? あっ!!! 僕を見捨てるのかい? 翔ーーーーーーーーーッ!!』

扉をガンガンと叩く音と相斗の命乞いが聞こえる。

『あれ? 忍さんんんんんんんんんんッ!?』

——————————————しかし、相斗の悲鳴的なものを最後に非常に静かになった。



相斗よ……。 おやすみなさい、永遠に……。