コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- おいでませ、助太刀部!! ( No.149 )
- 日時: 2011/05/03 18:02
- 名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: CrVsa58M)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=HLm1H9IsOcw
第9章 「嘘を紡いだ唇を」
(part1)
♪テーマ曲 one-sided love/℃iel(IOSYS)
「おい、アホ兄貴。 相斗はどうしたんだ?」
泣き止んだばかりのため、まだ目が赤い兄貴に尋ねる。
「あんまりにも眠そうだったから、寝かしつけたよ」
「それなら、最初から起こさないでやれよ……」
相斗もさぞかし迷惑だっただろう。
まぁ、最初に「起こせ」って言ったのは俺だけどな……。
「兄さんが面倒見とくから、翔たちは帰っててもいいよ?」
「そうか? ……じゃあ、先に帰ってるから相斗に伝えておいてくれ」
「うん。 任せて」
兄貴が柔らかく微笑んで言った。
性格さえ直れば、モテるんだろうけどなぁ……。
「それなら、今日は解散ねっ。 明日は土曜日だけど、依頼が入ってるからちゃんと来てねっ」
そんな深間の言葉と共に、今日は解散となった。
* * * * * * * *
※相斗視点です。
「んぅ……忍さん?」
目を覚ますとベッドのすぐ横にあるイスに座ってデジカメを構えている忍さんが目に入った。
「おはよう、相斗」
何事もなかったようにデジカメを鞄の中にしまって挨拶をしてきた。
「えーと、おはようございます? とりあえず、デジカメのメモリーを渡してください」
嫌な予感がする為、忍さんにメモリーの提出を要求する。
うーん、こういうのってスタンガンを押し当てれば壊れるかな……?
「えっ!? 嫌だよ! ちょっと寝顔を撮っただけだよ?」
……この人の感覚は他の人と大きく異なっているらしい。
普通はイタズラとかでない限り、寝顔を撮るようなことはしないと思う。
「いいから、メモリーを渡してください」
「嫌だ! 命に代えても渡さないよ!!」
デジカメが入った鞄を両腕で抱えながら忍さんが大きな声で言った。
あのメモリーには、それほどの価値があるものが入っているということか……。
なおさら、危険な感じがする。
「僕の寝顔以外に何か入ってるんですか?」
一応、尋ねてみる。 物によっては、破壊しちゃまずいだろうしね。
「昨日の翔の入浴シーンとか相斗の着替えシーンが入ってる」
忍さんが素直に答えた。
そんな事をされていたら気付けそうなものだけどなぁ……。
まぁ、何はともあれ、破壊してはいけないものは入っていないらしい。
しかも、昨日撮られた翔の写真は既にパソコンにバックアップがあるだろう。
昨日の写真はパソコンのハードディスクを壊さないと意味がなさそうだなぁ……。
「それなら問題ないんで、渡してください」
「問題あるよ!! 翔と相斗の成長日記が1日欠けちゃうじゃないか」
ダメだ。 この人は常識が通じるような相手じゃなかった……!!
結局、メモリーは破壊できませんでした。