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おいでませ、助太刀部!! ( No.17 )
日時: 2011/04/25 22:23
名前: 野宮詩織 (ID: CrVsa58M)

第2章 「え!? 本当に依頼とか来るのか!?」
(part5)

笠井先輩から依頼された翌日、四月朔日たちも含め、部室に全員が集合していた。
ちなみに、緋狩妖賦、花薇緑香、一条院桜ノ宮も部外者なのにこの場にいたりする。

なんで来たかのかと聞いたところ3人揃って、「面白そうだから」と答えてくれた。
こいつらは、人の恋路を何だと思っているのだろうか。

「あれっ? 四月朔日、もう聞き出せたのっ?」
「あぁ。 別に好きな人はいないと言っていたが、かまをかけたところ、好きな人はいるっぽいな」
「本当っ!? 本命は誰なのっ!?」
「俺には誰だか知らない奴だが、笠井奈々子とかいう奴らしい」
「おっ! これはあっさり上手くいきそうだねっ!」

四月朔日と深間が小声で会話している。
一体、何の話をしているのだろう?

でも、こういうのって聞かれたくないから小声で会話するんだよな。
そうしたら、第三者は首を突っ込むものじゃないだろう。

「笠井先輩っ! 今、決めましたっ!!」

深間がない胸を張って、偉そうに言った。

「相坂先輩とデートしてきてっ!!」

「勇気が出ない」と言った人に対して、この提案は爆弾発言ならぬ原子爆弾発言だろう。
そんなあっさり首を縦に振ることは出来ないだろう。

「えっ!? わたくしには、そのようなことに誘う勇気はないですわ」

ほら、見ろ。
案の定、断られたじゃねぇーか。
過程をすっ飛ばしすぎたからこうなったのだろう。

「っていうか〜、もう、誘っちゃったんだよねっ!」

過程をすっ飛ばすとかの前に人の意思を完全無視していたらしい。

「えっ!? む、無理ですわ! わたくしには荷が重いですわ!」

笠井先輩は首と手を横に振って、全身全霊で拒否していた。

「大丈夫っ! 伊野ちゃんと岡崎がついて行くからっ!」

はぁ!? 初耳だぞ!?
なんで、俺がこんな重い仕事をしなくちゃいけないんだ!?

「秋牙、事情を説明して」

伊野も初耳だったらしく、深間に疑問をぶつけた。

「詳しくは後で説明するよっ!」

しかし、あえなく放置された。 すごく悲しい。

「は、恥ずかしいですが、お二人がついてきて下さるなら、わたくし頑張りますわ!!」

笠井先輩の一言でついて行かざるを得ない状況になってしまった。
伊野も少し困ったような表情をしている。

「失礼するわ。 教えて欲しいことがあるんだけど」

扉の方から聞いたことのない声が聞こえた。
タイミングの悪い訪問者だな……。

「あら? お嬢様気どりの笠井さんじゃなーい! ちょっと、そこ退きなさいよ」

面倒くさい奴が出てきたな。
っていうか、こいつ、誰だ?

「あれが例の副会長の川原だ」

四月朔日が珍しく気を利かせてくれた。
一応、お礼を言っておこう。

「気にするな」

お礼を言う前に、お礼を言った後に言われるはずの言葉をかけられた。
本当に、四月朔日は不思議な奴だなぁ……。

「なにかご用でしょうか? 用があるのならば用件も教えてくださいませんか?」

相斗がすぐさま、川原先輩に話しかけた。
こいつは、頭の回転が速いから空気を読むことが非常に得意だったりする。

「用があるから来たのよ! 簡単に説明すると、相坂くんとデートをしたいから、その約束にこぎ着けて欲しいの」



依頼が被った上に、泥沼化してきた水曜日の放課後だった。