コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

おいでませ、助太刀部!! ( No.200 )
日時: 2011/08/07 22:25
名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: AzZuySm.)
参照: http://www.youtube.com/watch?v=HLm1H9IsOcw

第9章 「嘘を紡いだ唇を」
(part12)
♪テーマ曲 one-sided love/℃iel(IOSYS)

おかしい。
この悪魔的な奴らが実像で話せるとして、片言だということなら分かる。

だが、「リア充」という比較しなくても近代的な言葉を使う悪魔というのは、ロマンやらなんやらを根こそぎ刈り取っていかれるから、止めていただきたい。

「誑シ込ンダメイドさんヲオ姫様抱ッコスルトカ有リ得ナイヨネー」

しかも、腹立たしいことに事情を理解したうえでの発言らしい。

「頼ムカラ、劇薬飲ンデ、地獄ニ堕チテヨ」

本当にこの悪魔、腹立つな……。

「ネェー、オ兄サンモソウ思ワナイ?」

……ついに、兄貴に同意を求め始めた。
随分と馴れ馴れしい奴だな。

「翔を殺すだなんて絶対に許さない!! まだ籍も入れてないんだからね!?」
「一生、入れねぇーよ」

兄貴にツッコミを入れておく。
反論をしないと同意したと捉えられかねないからな。

「……サッキ、リア充トカ言ッテゴメンネー。 オ兄サンガ本命ダッテイウノハ想定シテナカッタンダー」
「どちらかと言ったら、今の言葉に訂正を求めたいな」

とりあえず、俺がノーマルであることが分かる程度にはして欲しい。

「実ノオ兄サント恋愛関係ニアルナンテ知ラナカッタンダ、ゴメンネー」
「訂正個所はそこじゃねぇーよ!!」

なんでコイツは問題を増やしたんだ!?
誰も「具体的に言え」なんて言ってないだろうが!

「アッ、朱里様ダ」

悪魔が後ろを振り向き、言った。
朱里さんの姿が見えると同時に、悪魔が全て異次元へと引っ込む。

「さぁ、忍! これから楽しい楽しい虐めタイムだ!! 常日頃からお前『達』のせいで鬱積しているストレスをぶつけてやる!」

朱里さんが部屋に戻ってくるや否やそう叫んだ。
……なんか申し訳ない気分になってきた。

「嫌だ! もういいもん! 翔を連れて家に帰るから! それに、中子のせいで溜まっている分はただの八当たりだよね?」

……何故に俺を連れていく必要があるのだろうか。
最悪なことに、兄貴の余計なひと言で朱里さんのストレスが増えた気がする。

「お前一人で帰れ! そうしたら、虐めは免除してやる」

朱里さんが兄貴に反論する。
最後の条件に、涙が出そうになるくらい寛大な朱里さんの優しさが詰まっていると思う。

「やだやだーっ!! やっぱり朱里は純粋でかわいい翔たちを手籠にして、あわよくば食べちゃおうとしてるんだぁぁぁ!!」
「それはお前だろうが」

全くもってその通りだと思う。

「違うよ! と、とにかく、兄さんはそんなふしだらなことは許しません!! 自分は別として」
「最悪だ! 自分のことを棚にあげやがった!」



こんなのと毎日つるんでいてキレない朱里さんを本気で尊敬しました。