コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- おいでませ、助太刀部!! ( No.206 )
- 日時: 2011/08/14 22:53
- 名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: .KnIUxar)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=HLm1H9IsOcw
第9章 「嘘を紡いだ唇を」
(part14)
♪テーマ曲 one-sided love/℃iel(IOSYS)
「深間、この人選に納得いくように説明してくれ」
深間に尋ねる。
中子達といたら、身体がいくつあっても足りない……!!
「中子ちゃんはリーダーシップが強いからだよっ」
まぁ、確かに統率力はあるな。
「道成ちゃんは機動力が高いからっ」
……それも理屈にかなっている。
「沫くんはパソコンが得意みたいだから、情報収集に役立つよっ」
…………理由がまともで断りにくい!!
ここで否定したら、ただのわがままになってしまう。
「翔たん、大人しく沫達と組むですよ」
うなだれている俺の肩を沫が軽くポンッと叩く。
そんな労う(ねぎらう)ような態度なのに、顔に浮かんでいる笑顔が腹立たしい。
もう本当に、殴りたいと思う位に。
「とりあえず、妹について、何かしらのヒントをもらえるかしらぁん」
中子が鎖月に問う。
とりあえず、中子には前かがみになるのを止めていただきたい。
理由は単純明快、胸が見えそうだからだ。
「俺の妹です」
「それは分かってるわよぅ」
意外や意外、俺っ娘だったらしい鎖月が前提条件を言う。
そもそも、他人の妹を探したいのだとすれば、最初にその旨を伝えるはずだしな。
ヤバい、中子の胸がもう少しで見えそうだ……!!
「何をしげしげと見てるですか……!?」
待つが背景に般若を出さんばかりの気迫で、尋ねてくる。
間違った答えを選べば、何が待ち受けているか分かったものじゃない。
落ち着いて、俺に与えられた選択肢を整理してみよう。
1.素直に真実に伝える。
「中子の胸を見てました!!」
「浮気ですか!? お仕置きしちゃいますですよ!」
ダメだ、恐らく、この後、仮眠室に引きずり込まれる。
コレは俺の尊厳やプライドも危なければ、絵面的にも危ない。
2.言い訳をする。
「これは……そのー、アレだ!!」
「言い訳をする翔たんにはお仕置きです」
コレもダメだ。
だって、完全にデジャブじゃねぇーか……!!
3.とりあえず謝る。
「すみませんでした!」
「【自主規制】させてくれたら許してあげるです」
……多分、この選択肢が一番、ダメだ。
何を言っても、俺にはグッドエンドは待っていない……!!
こうなったら、新たな選択肢を生み出すしかない!
「沫、今日はカッコいいな」
苦し紛れに褒めてみる。
男を褒める機会なんて、滅多になかったため、勝手がよく分からなかったが大丈夫だよな……?
「そ、そうですか?」
おっ、効いてる!?
この状態の時はカッコいいんで良いんだな。
松には可愛いって言えば、奇行がかなり緩和されるし……。
まぁ、お世辞抜きでも松は十二分に可愛いけどな。