コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

おいでませ、助太刀部!! ( No.3 )
日時: 2011/04/23 22:43
名前: 野宮詩織 (ID: CrVsa58M)

第1章 「助太刀部? なにそれ、食べられるの?」
(part1)

「翔!!」

茶髪で長身の見るからに美少年といった風貌の男子生徒が俺の元へ駆け寄ってくる。

「あ?」

初のセリフが平仮名1文字な俺の名前は岡崎翔。 どこにでもいるような普通の高校生だ。
そして、今、俺を呼びとめたのは幼馴染の風葉相斗だ。

「翔ってさ、まだ部活入ってないよね?」
「唐突だな……」

この九条学園では部活への所属は義務付けられていないから入っていない奴も結構いたりする。
俺もその1人だしな。

「まぁ、今のところ、入る予定はないぞ」
「それなら、僕と一s「断る」人の話を最後まで聞こうとは思わないのかい?」
「そもそも、お前が部活に入ってるなんて始めて聞いたぞ?」
「微妙に話をスルーされた気がするけどまぁいいや。 今、僕が入ってる部活はね……」

何故か相斗が妙に間を溜める。
運動神経は破滅的———というよりかは、運動に関してドクターストップがかかっているから文化部だろうな。
この学校は、私立なだけあって文化部だけでも結構な数の部活が存在している。
選択幅が広すぎて、何部があるのか正直、把握しきれていない。

「助太刀部っていうんd「俺、帰るから」最後まで聞いてってば!!」

相斗が不服そうな表情をしている…。
ここで俺の脳内に浮かんだコマンドは4つ。
1.逃げる 2.ここに留まる 3.帰る 4.戦う
1と3同じだって言った奴、表に出ろ!! 特に何も起こらないぞ!!
少し思考回路が馬鹿になりかけている俺が選んだ選択肢は4だ。

「あっ。 やっと聞く気になった?」

その場で立ち止まった俺を見て、相斗が逃走を諦めたと思ってるらしい。
ふんっ! 馬鹿め! 俺がそう簡単に諦めると思うな!!
残念ながら、逃走は諦めたが闘争は諦めてないぞ!!

「聞く気になんてなってねぇーよ!」

即座に振り返り、相斗に回し蹴りをくらわせ……られなかった。

「だよね。 翔のことだから諦めてないと思ったんだ〜。 やっぱり、こういう時は実力行使に限るね」



相斗によって、俺の首にあてられたスタンガンが放電するのはこの2秒後のことだった……。