コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- おいでませ、助太刀部!! ( No.33 )
- 日時: 2011/02/05 16:44
- 名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: dHuJp/ow)
第4章 「男の娘ですけど何か?」
(part2)
〜翔、回想続き〜
4月13日 午後2時17分
「岡崎、お前のことを探している奴がいたぞ」
四月朔日が俺にそんな内容のことを伝えてきた。
嫌な予感がしなくもないがその人を放置するわけにはいかない。
「岡崎先輩!! 昼休みの時、何で逃げ出したんですか?」
「………身の危険を感じたから」
あの時、実は全身に鳥肌が立っていた。
一瞬だけだが「俺の前世手羽先じゃね?」とか思ってしまったくらいだ。
もしも、本当に手羽先だったら悲しすぎるな…。
「?」
メイド服の子はキョトンとした顔をしている。
そして、何故だか合点がいったといったような表情になった。
その合点は九割九分九厘間違っていっているだろうな。
「分かりました!! メイドらしく奉仕しろという意味ですね!?」
「違う!!」
どういう思考回路をしていたら今の結論にたどり着けるのだろうか。
ある意味凄いと思う。
尊敬はできないけどな。
「そういえば、ボク、まだ名乗ってませんでしたね。 ボクは眸夢魅といいます」
眸夢魅と名乗ったメイド服の子は礼儀正しくお辞儀をした。
黙っていれば愛らしい女の子だな。
「それなら眸。 今すぐ、下校しろ。 今日は5時間授業だからもう終学活も終わってるだろ?」
「はい。 もう終わりました。 では、一緒に帰宅しましょう」
「断る」
「何でですか!?」
眸が物凄い不思議そうな顔をして聞いてきた。
何が楽しくてメイド服を着た女の子と一緒に寮に帰らなくちゃならないんだよ…!!
「何でも何も俺、寮に住んでるし」
九条学園の学生寮は高校から徒歩10分程度の位置にある。
この学園に通う生徒達の結構な人数が寮に住んでいる。
ちなみに俺と相斗は同室だったりする。
「では、寮長に頼んで同室にしていただきましょう!!」
「相斗と既に同室だからムリだ!! というか、そもそも俺が住んでるのは男子寮だぞ!!」
勿論、寮は男子寮と女子寮が存在している。
女子寮の方が若干学校に近い位置にあるのは、登下校時の危険性を減らすためらしい。
「何を言っているんですか?」
正直、それはこっちのセリフだ。
「ボクは……」
眸は妙な感覚を開けてから、衝撃発言をしてくれた。
「男子ですよ」
「……………え?」
いや、今のはきっと幻聴だ。
なんか見たことも聞いたことも無い種類のいたずら好きの妖精とかの仕業だろう。
「I beg your pardon. Please one more say.」
「ボクは男の子ですよ」
「Really?」
「本当です」
嘘であって欲しいと本気で願った金曜日の放課後だった……。