コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- おいでませ、助太刀部!! ( No.45 )
- 日時: 2011/02/06 09:55
- 名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: dHuJp/ow)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=mJd63R16-WA
第5章 「大気圏突破もできるのか?」
(part3)
※テーマ曲 二色蓮花蝶/岸田教団&The明星ロケッツ
「あっ!! 理人、遅せぇーぞ!!」
グラウンドに入ると同時に橘の元に林が駆け寄ってきた。
探す手間が省けてラッキーだと思っておこう。
「お前が林梓か?」
桜が何故か喧嘩腰で話しかける。
林も不審に思ったらしく臨戦態勢になった。
「凹ませろ」とは言われたが、物理的に相手の頭を陥没させろという意味では無いはずだ。
「そうだけど、なんだ? 喧嘩でも売りに来たのか?」
林が桜を挑発する。
「上等だ!! そっちがその気なら殺ってやる!!」
………2人共、単細胞生物なんじゃないかと疑ってしまうほどお互いがお互いの挑発にあっさりとのせられてしまった。
正直、俺の手に余る事態だ。
「翔」
「何だ?」
「あの2人を止めてきてくれないかい?」
はぁ!?
そんなことしたら俺が死んでしまう!!
絶対に嫌だ……!!
何が何でも断ろう。
「断る」
「あの状況は流石に止めなくちゃだめだと思わない?」
相斗が指さした方向を見てみる。
そこには、地面にうつ伏せに倒れている林とそのケガ人を踏みつけながら「勝った!!」などと言っている桜の姿があった。
「もう凹ませる余地が無い気がする」
伊野は無表情のまま桜と林を見つめながら言った。
ボコボコにされてる奴を無表情で見てるだけとかなんたるサディスト。
しかし、橘がその言葉に反論した。
「あるっスよ。 梓は単細胞なんで、無駄にポジティブなんっスよ」
ポジティブにも限界はあると思う。
現にそこに倒れて……あれ?
「……いなくなった?」
「いや、むこうっス」
橘はさっきまで林がいた場所より右の位置を指さした。
そこには林が元気そうに立っていた。
………………怪我だらけだけどな。
「ハハッ!! 俺は体が丈夫なんだぶべらっ!?」
仁王立ちをしている林の顔面に桜がとび蹴りをしたため、林の顔面に靴のかかとがめり込んでいる。
…女子高生がするような仕打ちじゃねぇーだろ、これ。
「桜先輩。 そろそろ陸上競技の方で勝負しましょう」
眸が桜に声をかける。
「後、10分待ってくれ!!」
「10分もこの調子でボコされ続けたら林先輩死んじゃいますから!!」
「…………仕方ないな」
桜はしぶしぶといった様子で林から離れる。
林の方はというと………
「はっ! もう諦めたのか? 俺ってば最強だな!!」
全く反省していないらしい。
これはポジティブというよりは馬鹿というんじゃないだろうか。
「あ? てめぇ、マジで殺すぞ!! このボケがぁ!!」
桜は桜で反省する様子は皆無のようだ。
「桜。 そろそろ自重しろ」
「……………分かった」
四月朔日の言葉でようやく諦めたらしい。
「ボコすのは明後日にする」
前言撤回。
…………………………諦めるつもりは全くないようだ。