コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- おいでませ、助太刀部!! ( No.48 )
- 日時: 2011/02/06 22:12
- 名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: dHuJp/ow)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=mJd63R16-WA
第5章 「大気圏突破もできるのか?」
(part5)
※テーマ曲 二色蓮花蝶/岸田教団&The明星ロケッツ
「吠え面をかくのはあなた」
「そんな風に強がってられるのも今のうちだぜ!!」
本当に林は馬鹿何じゃないだろうか。
そういうセリフを言った奴は基本的に返り討ちにあう。
という、フラグを踏んでしまっていることに気がつく気配が無い。
「それはこちらのセリフ」
伊野がそのセリフを言いきったところで、開始のピストルが再び鳴り響いた。
長距離ということもあり、2人共、いきなり全力で走るという真似はしない。
「ねぇ、今思ったんだけどさ、長距離も桜さんが走れば即効で決着ついたんじゃないかい?」
相斗が四月朔日に尋ねた。
相斗が言うまで気付かなかったが、桜は持久力もそこそこあるだろうから、圧勝できただろうな。
「それも考えたが、桜に圧倒的な差をつけられて2連勝されたら凹むどころか再起不能になる可能性があるから、伊野に走ってもらうことにした」
しかも、桜は勝った後に辛らつな言葉を浴びせるというおまけまでつけてくれるだろうしな。
桜歩、恐るべし。
「…今のところ、大きな差はついてない」
「少しだけ伊野先輩がリードしてるけどねぇ」
花薇と一条院が実況をしてくれた。
「梓は後半にペースをあげてくることが多いんで、今のところ何とも言えないっスね」
「伊野ちゃんもそうだよっ!!」
そうは言っても、林は陸上部員として日々鍛錬しているが、伊野は普段本ばっかり読んで運動をあまりしていないというブランクがある。
そんな事を考えているうちに、2人は1000M地点に到達していた。
……2人共、尋常じゃないスピードだな。
高速走路を生身で走れそうな勢いだ。
「…残り200M」
「2人共、ペース上げてきたよぉ」
「まだ余力があるのっ!?」
深間の意見に同意する。
1500M走をここまでのスピードで走り続ける人なんて初めて見たぞ。
……身の周りにいないのが普通なんだろうけどな。
「……同着っスね」
橘が結果を告げた。
ちなみに、林はゴールのあたりで倒れている。
伊野はというと、涼しい顔で眸から冷たい麦茶をもらい、それを飲んでいる。
……本当に同着なんだよな?
「うぅ……。 この俺が女なんかと同着だなんて……!!」
流石に1番得意な競技で、伊野と同着だったのは応えたらしい。
「あなたが練習を怠り続けた結果。 だから当然」
伊野は涼しい顔のまま、林に向けて言い放った。
「練習をサボらなければ梓が圧勝してたはずなんっスけどね…」
橘の言葉に敏感に反応して、林が起き上った。
「だよな!!」
こいつ、反省する気あるのか?
「努力は才能のうちくらいだ。 努力が出来ない奴が天才なわけが無いよな」
「だよね〜」
相斗と四月朔日が少し離れた場所でそんな会話をしていた。
そして、単細胞な林はあっさりとそれに引っかかってくれた。
「よしっ!! 今日から長距離の方も頑張るぜ!! 理人、早く来い!!」
「分かったっス!!」
本当に林は馬鹿だなぁ………。 (by助太刀部関係者の心の声)