コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- おいでませ、助太刀部!! ( No.5 )
- 日時: 2011/04/24 15:25
- 名前: 野宮詩織 (ID: CrVsa58M)
第1章 「助太刀部? なにそれ、食べられるの?」
(part3)
「あの〜、桜さん?」
「何だ?」
「何故、俺は地べたに正座させられているのでしょうか…?」
桜と四月朔日によって解放された俺は何故か地べたに正座させられている。
思い当たる節はあるけど! あるけどさ……!
というか、これは解放されるどころか、警戒が厳しくなっただけな気がする。
「お前が学校でいかがわしいコトをしていたからだっ!!」
桜が顔を赤らめながら叫ぶ。
こういう仕草って可愛いよな。 帯刀をしていなければの話だが。
そう、桜歩なる人物は成績は学年1位、しっかり者で容姿も綺麗で非常にモテる(女子に)。
しかし、帯刀をしている。
「法律違反じゃないか?」とみんな思っているが、あからさますぎて誰もツッコめないという状況だ。
「まぁ、兎にも角にも調査書には×つくからな?」
四月朔日の宣告によって俺と生徒会の2人以外の3人がフリーズする。
あれ? ……3人?
「えっ!? それは困るよっ!」
「それ×つくと部費半減なんでしょ? 困るから×つけないでくれないかい?」
「部費半減は困る」
秋牙と相斗以外にもう1人、部屋の隅に人がいた。
えーと、確か伊野冥府だっけ…?
大人しくて無口な奴だからあんまり話したことがないんだよなぁ。
まぁ、でも、見た目は良いし、成績も学年3位ということもあって、隠れファンが非常に多い。
「そうは言ったって、こんなことしてる部活にまともな部費を与えられるかっ!!」
桜が大きな声で叫ぶ。
「桜、落ち着け!!」
俺が桜を止めるために立ち上がろうとした瞬間、顔のすぐ横を銃弾的なものが掠った。
……あっ。 これ、多分本物の銃弾だ。 西洋映画とかでこんな形の銃弾を撃っているシーンを見たことがあるだけだから多分だけどな。
銃弾(と思わしき物体)が掠った直後、カチッという音が俺の額の近くから聞こえてきた。
「なんで正座崩してんだよ」
それもそのはず。
なぜなら、桜が俺に銃を突きつけていたからだ。
気付いた瞬間に、此処は夢なのではないかと本気で疑ってしまった。
「すみませんでしたっ!!」
すぐさま、土下座をする。
プライドとかよりも命の方が大事だ!!
「桜、自重しろ」
四月朔日からしたら桜の奇行を止めるためだけに言った言葉なのだろうが、今の俺からしたら神の声だった。
桜を止めてくれるとかマジで神!!
「でもな、こいつは教育上よろしくない性癖を持っているっぽいんだぞ!?」
まだ不確定な状況で容赦なく銃を撃ってきた人に生徒会の仕事を任せていいのか凄い不安になってきた。
「脅しは抜刀までっていう約束だろ?」
抜刀も駄目だろ!?
というか、武器類の携帯を止めさせてくれ!! こいつらは銃刀法違反っていう法律をしらないのか!?
「そうだったな……。 四月朔日、すまない」
俺にも謝れ!!
今回の一番の被害者は恐らく俺だからな!?
「分かればいいんだ」
本当に生徒会は大丈夫なのか? 物凄い心配だ。
今の笑いの沸点がだいぶ下がっている状態でこんなちょっとしたコントのようなことをされては堪らない。
俺は小さくだが、つい笑ってしまった。
その瞬間、桜が抜刀し、斬りかかってきた。
って、危ねぇーーーーーーッ!! おい、床にヒビが入る威力ってどういうことだ!?
当たったら即死決定だったな……。
「何、笑ってんだよ」
「ごめんなさい……」
反射的にした土下座によって命の危機を免れた月曜日の放課後だった。