コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- おいでませ、助太刀部!! ( No.66 )
- 日時: 2011/03/03 20:52
- 名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: NFbvEd0b)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=grsZVH6Furo
第6章 「タネが分かったらつまらないじゃないか」
(part5)
※テーマ曲 マトリョシカ/初音ミク・GUMI
「決めました」
「…何を?」
出雲の突然の決意の言葉に花薇が疑問を投げかけた。
最もな疑問だろうな。
「川原先輩でしたっけ? あの人、ボク好みなんで直接話してみたいってだけですよん」
「…それで?」
割とまともなことを言った出雲に対して花薇が再び質問した。
まだ続きがあるのだろうか……?
「今から突撃して、あわよくば晩御飯もたかってこようと思います」
「そんな無礼が許されるのはヨネ○ケさんだけだ!!」
思わず突っ込んでしまった。
きっと知らない人の家に突撃して晩御飯を食べることができるのは、日本では彼しかいないだろう。
普通(?)の高校生である出雲にはできないことだ。
はい、そこ!! 「ツッコミどころはそこじゃねぇーよ」とか言わない!!
「…晩御飯はともかく、直接話さないと分からないところもあるかもしれない」
花薇の意見が正しいと思う。 よく分からないが今日はまともだな。
「それもそうだね。 じゃあ、突撃しようか」
「お前はアホか!!」
相斗の言葉にもつい突っ込んでしまった。
なんでこいつらはミスに気づけないんだろうか。
「アホって酷くないかい?」
「酷いのはお前の頭だ」
相斗の言葉に反論しておく。
ガチャ(←出雲が生徒会室の扉を開ける音)
って、おいぃぃぃ!?
何で本当に突入してるんだよ!! ダメって言っただろ!?
「ん? すまん、名前が分からないが、生徒会に何か用か? それとも、生徒会役員に用があるのか?」
真先輩が真面目に応対する。 なんか、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「その通りですよ〜ん。 ボクは川原先輩に用があって来たんですよ〜」
真先輩とは対照的に出雲は軽く答えた。 マジで申し訳ない気持ちが湧水のごとく溢れ出てきたんだが……。
「アタシに何か用? 面識ないはずだけど」
川原先輩が反応した。
そりゃ、面識ないでしょうよ。 出雲だって今日初めてちゃんと見たんだからな。
「ボクは出雲小百合っていうものですよ〜ん。 いきなりですが、友達になって欲しくて来たんです」
「はぁ?」
突然すぎる出雲の頼みに、川原先輩は「何、この子」といった感じの表情をしている。 それが普通の人間のリアクションだ。
「頭おかしいとか思いました?」
「多少」
川原先輩は出雲の質問に素直に答えた。
多少って答えた辺りは優しさがこもっている気がする。
「半分嘘ですね〜?」
「7割嘘よ」
「随分、素直に本音を言いましたね〜ん」
「なんか文句ある?」
この後しばらく、川原先輩と出雲が意味なんて無さ気な問答を繰り返し続けた。
そして、それがひと段落したところで出雲がこう言った。
「よし、合格でっすよ〜ん」
……………………………は?(byこれを聞いていた全員)