コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- おいでませ、助太刀部!! ( No.92 )
- 日時: 2011/03/29 19:06
- 名前: 野宮詩織 ◆oH8gdY1dAY (ID: CrVsa58M)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=bnJX7XJ7Bik
第8章 「吾こそ翔の正妻なのじゃ!!」
(part1)
♪テーマ曲 水橋ジェラシックパーク/miko(IOSYS)
「先生〜、帰国子女の子はまだですか?」
「早くしろよ、女子? それとも、男子?」
朝のHRの時間、担任が入ってきた瞬間に「帰国子女はまだか」というようなことをクラスの奴らが言った。
異口同音とはまさにこのことだろう。
「焦らなくても紹介するから静かにしろ! ちなみに、またまた女子だ」
担任が教卓をバンッと叩いて言った。
すぐさま、さっきまでの喧騒が嘘であったかのように教室が静まり返った。
まぁ、女子から「また女かよ」とかいう声が聞こえるが、それは聞かなかったことにしよう。
「道成さん、入ってきていいよー」
担任が帰国子女の子の名前を呼ぶと、割とすぐに扉が開いた。
すると、中子の時のように教室がざわついた。 正しく言うと、ざわついたどころではない。
その帰国子女の容姿について一言でまとめると、「かわいい」ないしは「キレイ」だろう。
金髪のふわふわしたロングヘアにうすい青色の目。 背は女子にしては少し高めで、中子には劣るが巨乳だし、スタイルの方も抜群だ。
うん、どこからどう見ても月海だ…………!!
「道成さん、簡単にでいいから自己紹介して」
担任が黒板に彼女の名前、「道成月海」と書きながら言った。
担任がそういうと、月海は一歩だけ前に出て口を開いた。
「うむ。 吾は道成月海じゃ」
月海は本当に簡単に自己紹介をした。
あぁ、どうしよう。 このしゃべりかたといい、見た目といい、名前といい、絶対に月海だ……!!
俺、終わった………!
「じゃあ、道成の席は……………」
担任が空席の場所を指差そうとすると、再び月海が口を開いた。
「中橋先生、吾は岡崎翔の隣が良いのじゃが」
「いや、でも、岡崎の隣には榊原さんがいるんだけど……?」
月海ぃぃぃぃいい!!
何でいきなりとんでもない行動してるんだぁぁぁあ!!!!?
周りを見てみろ! 俺に対する殺意のこもった大量の目が見えないのか!?
「しかし、吾は翔の正妻なのじゃ! 良夫の傍にいるのが良妻の務めなのじゃ!!」
月海がキレイな金髪をなびかせながら熱弁している。
いい加減に気付け!!
お前が熱弁すればするほどに周りのめが冷たく、さらに刺すような視線になっていくことに……………!!
『っていうか、嫁!? 岡崎、中子とか1年の男の娘メイドのことも誑かしておいて、本妻までこんな可愛い子なのか!?』
『ちょっと見た目がいいからってずるいぞ!!』
『もう、殺っちゃおうぜ!』
周りの男子たちからそんな声が聞こえた。
あっ、俺、終わったな……………。